ホームニュース一覧2010

海賊対処は民生支援と警察力で

「護衛艦さわぎり」ソマリア派兵に抗議する

 1月30日、ソマリア沖の海賊対策として「護衛艦さわぎり」が海自佐世保基地から出港しました。水上部隊第4次隊として、29日に横須賀基地を出港した「護衛艦おおなみ」ととともに現地に向かいます。また大村航空基地の哨戒ヘリ1機が搭載されます。

 この日、干尽埠頭では佐世保原水協と平和委員会が抗議集会を開きました。主催者を代表して山下千秋さんがあいさつ(代読)。
 「海賊から商船を守るという国民ウケをする大義名分を掲げているがその本質は憲法違反そのもの。日米安保で米国といっしょに戦争できる危険な国づくりにつながる暴挙だ。海賊対処法は、海上警備行動で認めていなかった、日本と無関係の外国船にも警護対象を拡大し、武器使用基準の緩和、警告射撃など外国人を殺傷しかねないところまでになった。おおもとには他国に殴り込みをかける米軍の戦争に自衛隊をなんとしても参加させようとする路線がある。佐世保における海外派兵反対のたたかいは憲法9条を守る、日米軍事同盟打破につながる重要な意義がある。これらの実態を市民の間に広げていこう」と訴えました。

 集会には長崎県知事選挙予定候補の深町孝郎さんもかけつけ、「ふたたび日本が世界に向かって、戦争に様々な形でかかわっていく状況が進んでいることに大きな怒りをおぼえる。被爆県の長崎にふさわしい、憲法9条を守って核兵器廃絶、そして日本が平和に貢献する、その先頭に立つような長崎県政を実現したい」と述べました。

 また冨塚明さん(ながさき平和委員会)はソマリア沖での実態を報告。
 「これまで海上警備行動での護衛が41回、武器使用や外国船も守れるとした海賊対処法で60回行われている。警護した商船の数は574隻になるが日本籍船はわずかに10隻、日本の運航業者が運航する外国籍船が151隻、その他の外国籍船が413隻(72%)。日本の船の安全を確保する口実と実態があまりにもかけはなれている」と指摘しました。

 そしてその一方、「軍隊出動にもかかわらず、海賊行為は08年の111件から09年は倍の215件に増えている。軍隊を出してもソマリア国内の問題をなんとかしないと、何の解決にならない。民生支援による、警察力による解決をめざす必要がある。このような事実を市民に知らせていこう」と呼びかけました。

 集会参加者は出港する「さわぎり」に対し、「さわぎりはソマリアへ行くな!」「政府は憲法9条を守れ」「海賊には警察力で対処せよ」などとシュプレヒコールをあげました。

(2010年2月1日)