ホームニュース一覧2009

「ミサイル防衛」さらに拡大へ

 12月25日に閣議決定された10年度政府予算案では防衛省予算の総額は4兆6825億円で、SACO関係費169億円、在日米軍再編経費のうち 別枠の「地元負担軽減」分909億円、内閣官房の軍事偵察衛星関連経費635億円を含めると4兆8538億円になります。前年度当初予算比で154億 円増で、米軍再編経費の増額(307億円)が大きく効いています。(いずれも歳出ベース)

 鳩山政権は米軍再編を見直すといいながら逆に経費は増やし、自公政権と同様、従来の約5兆円規模の軍事費を維持し続けるものになっています。

【減額されたミサイル防衛予算 実際はPAC3拡大の保証

 その中で「ミサイル防衛」関連予算は586億円(初度費47億円を含む;防衛省が一般に公表するのはこれを除いた額)と大幅減で過去最少となっています。しかし別に計上されたPAC3の新規配備に向けた既存レーダー等のバージョンアップ経費の639億円(初度費20億円)をあわせると1225億円で、昨年よりも109億円増となっています。累計では1兆円にせまろうとしています。


 バージョンアップされるPAC−2部隊は三沢基地の4部隊、那覇基地の2部隊。これによってPAC−3部隊と器材の連接が可能となり、PAC−3部隊の迅速な機動展開も可能となるとしています。

  これまでの「ミサイル防衛」計画は09年度が予算上の完成年度であり、その後は今年末に策定されるはずの新たな「防衛計画の大綱」に基づいて立案されることになっていました。しかし政権交代で新大綱の制定が間に合わず、「現在の防衛計画の大綱の考え方に基づく」ことを掲げながら、現大綱には記されていないPACー3の追加配備に、実質的に着手したのです。

 一方、「思いやり予算」は1880億5200万円で、前年度比約47億円減。内訳は提供施設整備費206億2100万円、労務費1419億4100万円、光熱水料249億4400万円、訓練移転費5億4600万円。(歳出ベース)

(2009年12月26日)