基地の必要性が問われるなか11月23日、大村市の中心街で自衛隊の市中行進が行われました。参加したのは大村駐屯地と竹松駐屯地の陸自、海自大村航空基地、空自福江島基地の県内の基地の4軍。自衛隊関係者総出で交通整理やビデオ撮影部隊なども伴い、さながら基地が拡張されたような様相でした。
行進は、音楽隊のマーチが先導し、約700人の隊員は小銃を携行した迷彩服姿のまま。74式戦車やミサイル発射用の大型車両も道いっぱいに広がり地響きをたてて走行。全面通行止めとなったJR大村駅近くの幹線道路約5百mは、街なかの戦場といった光景です。沿道では、子どもをつれた自衛隊員の家族連れや基地関係者の姿が目立ち、さかんに拍手を送っていました。
「主人が旗を掲げるので、子どもを連れてきました」という30歳代の女性は、途切れることのない車両の数にびっくり。「これだけの車両、どこからもってきたのかな」と不思議そう。珍しそうに身を乗り出して眺めていた幼児は、顔面まで迷彩色に塗った特殊部隊の姿を見て「こわい」と後ずさりしていました。
「両にらみに腐心」 矛盾した民主党政権の対応
大村市で実施された県内の自衛隊の市中行進。一方、この日は市中行進に抗議する労働団体の集会も開かれました。
政権交代後、同市で初の自衛隊市中行進となったこの日、民主党の衆参両院議員は自衛隊式典と抗議集会の両方に参加。『両にらみ』と同党の矛盾した対応を長崎新聞(24日付)が報じました。
陸自の記念式典で山田正彦衆院議員は「4部隊のすばらしい記念行事に心から祝意を表したい」と激励。同時刻に駅前公園での大村地区労の抗議集会には山田衆院議員の秘書が出席、「平和を愛する気持ちと行動に深く敬意を表する」とあいさつしたと伝えています。また、同党の大久保潔重参院議員は、自衛隊記念行事に「ご盛会を祈念」との祝辞を送って掲示され、一方の抗議集会には「集会がすばらしいものになることを期待する」とのメッセージを送ったことを紹介。「両にらみ」に同党の腐心する姿が浮かぶと皮肉っています。
(2009年11月25日)