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護衛艦くらま、コンテナ船と衝突、艦首炎上


艦首が原形をとどめないほど破損した「くらま」(10月28日、門司港)

 10月27日、関門海峡を通過中の「護衛艦くらま」が韓国籍のコンテナ船カリナ・スターと衝突しました。双方が炎上、「くらま」の艦首は10時間半後に鎮火しましたが原形をとどめないほど大破しました。「くらま」は25日の海自観艦式で政府要人らの乗る観閲艦を務めた後、佐世保基地に帰る途中でした。観艦式直前に塗装を施し、その塗料の残りを艦首内に積載、衝突の際に引火したものと思われます。幸い、弾薬などへの引火はありませんでした。

 衝突事故の直接の原因は、コンテナ船が前方の貨物船を左側から追い越したことですが、関門海峡海上交通センターの管制官がコンテナ船に左からの追い越しを「指示」したことが引き金となっています。

 しかし通行隻数の多い、わずか500メートル幅の狭い海峡を、大量の弾薬・ミサイルを積んだ軍艦が航行していることも問題視しなければならないでしょう。

 その後、「くらま」は門司港に向けて自力航行。乗員は海上保安庁や国土交通省運輸安全委員会による事情聴取を受けました。11月中旬にも佐世保港に戻り、米海軍第二ドック(自衛隊も使用)で損壊状況を調べ、修理する造船所を検討すると報道されています。

(2009年11月6日)