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大村基地の滑走路が防衛省移管へ

10年度概算要求に約3億円を計上


海自大村航空基地の滑走路(長崎空港A滑走路)

 防衛省の10年度概算要求に「長崎空港A滑走路の所管移転費」として2億9800万円が計上されました。

 海上自衛隊大村航空基地の滑走路は、歴史的経過から、自衛隊専用滑走路にもかかわらず国土交通省の管理下(=長崎空港A滑走路)にあるという、全国に例を見ない特殊な運用形態をとっています。

 年間2万回ほどの哨戒ヘリコプターの離発着訓練が行なわれるため、周辺地域では環境基準を超える騒音が発生し、住民からは苦情が出ています。通常であれば、防衛施設周辺の住宅防音補助事業として防音工事を行なうことになるのですが、国土交通省管轄のために「防衛施設」に該当しないのです。かといって国土交通省管轄だからといって国の空港整備特別会計(民間機からの利用料などを財源)から出すのも、騒音原因が100%自衛隊機のため相当無理があり、騒音対策は手付かずの状態でした。

 今回、国土交通省と防衛省でA滑走路移管についての調整が決着したことで概算要求となったといいます。会計処理上、防衛省が国土交通省から滑走路用地を取得する形式が必要なため、同用地取得費を計上しています。あわせて周辺の騒音対策費として初めて2000万円を盛り込んでいます。

 一方、手狭な基地拡張のために、騒音解消も口実に、大村湾を約11万平方メートル埋め立てる計画が03年に立てられました。現在、大村湾埋め立てや施設建て替えの環境影響評価に入る段階です。準備書では埋め立て拡張した部分にも駐機場を建設した予測でも騒音基準を超過したままの状態であることが明らかとなっています。10年度に県知事への埋め立て申請を目指す計画ですが、着工時期のめどは立っていないといいます。工期は7年。

(2009年9月3日)