9月1日、九州防衛局は10年度予算の概算要求として佐世保における「すみ分け」事業に約87億円を要求したことを明らかにしました。県と佐世保市、海上自衛隊佐世保地方総監部でつくる「佐世保問題現地連絡協議会」で報告したもの。内訳は次のとおり。
LCAC新駐機場の建設費は10・11年度分で、これが最後の予算要求となります。認められれば12年3月末には完成し、総額は当初予定の2・5倍の250億円を超えます。
一方、佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の機能を針尾弾薬庫に集約・近代化する計画については10・11年度にわたる基本設計費を要求しています。これは埋め立て地に建設する地上覆土式弾薬庫の位置を検討し、10年度に終わる新施設の安全性調査(弾薬庫の安全確保に必要な距離を調べる爆破試験など)を踏まえ、地中式と覆土式の両弾薬庫の全体配置を決めるというもの。
地元漁業や自治会など関係10団体は移設に「合意」したことで計画は大きく動き出そうとしていますが、日米合同委員会での正式合意はまだです。この計画の完成には総経費は1000億円を超えると見積もられています。しかし米軍のための弾薬庫近代化に税金を投入するなど前代未聞のことです。
ムダ使いを徹底的に追求、10年度予算は抜本的に組み替えると公言した民主党がはたしてメスを入れるかどうか、注視していきましょう。
(2009年9月2日)