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新型の米揚陸艦が佐世保に初寄港

LCAC1隻の交換のためだけか


佐世保に寄港した揚陸艦ニューオーリンズ(米海軍ホームページより)

 7月8日、新型の米ドック型揚陸輸送艦ニューオーリンズが佐世保に寄港しました。ニューオーリンズは07年3月に就役し、ボクサー強襲揚陸艦部隊に所属しています。ニューオーリンズはレーダーに捉えられにくいステルス設計が施された最新鋭のサン・アントニオ級揚陸艦の2番艦。同型艦の日本への寄港は初めてです。

 報道によると、ニューオーリンズはペルシャ湾での展開を終え、母港の米サンディエゴに戻る途中で寄港したもので、佐世保配備のLCACを1隻、交換するとしています。

 当初、佐世保配備の揚陸艦ジュノー(オースチン級)がサン・アントニオ級と交代するものと見られていました。しかし、サン・アントニオ級の建造の遅れからか、ジュノーに「延命改修」が施されました。その後、ニューオーリンズに交代する計画もあったようですが、最終的には、同じ「延命改修」となったデンバーと08年7月に交代となりました。(すでにジュノーは退役)

 しかし、そのデンバーも就役後40年を過ぎた老朽艦で、サン・アントニオ級と交代するのは時間の問題と思われます。サン・アントニオ級は現在4番艦まで就役し、10年までには8番艦までが就役する予定で、それまでには交代になるものと思われます。

 サン・アントニオ級はオースチン級の後継で、オースチン級に比べ約1・5倍に大型化し機能も大幅に強化されています。八角形のマストが特徴で、センサーの保護とセンサーの機能を増幅させる役割をしています。C4Iシステム(Command, Control, Communications, Computer, and Intelligence)も備わっています。さらにレーダーに探知されにくいステルス設計が施され、RAM近距離対空ミサイルを装備しています。LCACは2隻搭載可能。内部には医療用施設も充実しており、内科・歯科の手術室がそれぞれ2室、24の病室があります。


揚陸艦ニューオーリンズのステルス性マスト

(2009年7月9日)