2月5日、米第7艦隊の旗艦ブルーリッジ(乗員約1100人)が、県や長崎市をはじめ、多くの市民の反対の声を押し切って被爆地への寄港を強行しました。ブルーリッジはベトナム戦争以来、幾多の攻撃の指揮艦として米世界戦略に加担してきた軍艦です。
強力な指揮・通信機能を備え、情報収集用のアンテナを100基以上設置し、第7艦隊の艦船、潜水艦、航空機の情報をすべて把握しているといいます。
記者会見でトム・バーク艦長は「寄港の間に地元の意見が変えられればという望みがある」などと、市民の感情を逆なでし、兆発するかのような発言を行いました。
この日、岸壁前の鉄製ゲートは固く閉じられ、米軍の要請か、輸送用コンテナが置かれ、船体が外から見えないように「目隠し」されるという異常な事態となっていました。
県平和運動センターや県平和委員会などが共同して怒りの抗議集会を開き、佐世保や川棚の平和委員会からも激励に駆けつけてくれました。
主催者を代表して明石佳成さん(県平和運動センター副議長)は「圧倒的な軍事力を背景に米軍は紛争に介入してきた。その米艦の寄港は日本の民間港を軍港化しようとするものにほかならない」と指摘しました。そして外務省のいう「事前協議の申し入れがない以上、核積載はしていない」は根拠がなく国是の非核三原則を空洞化するものだと批判。また過去には苫小牧市などが米艦の入港を拒止した例を挙げ、知事が頑張れば回避を実現できると述べました。
冨塚明さん(ながさき平和委員会)は、今回の入港が日米同盟を地球規模に拡大強化させようという中での寄港だと述べ、「05年に17隻だった米艦寄港数が同盟変革への動きが本格化する06年には28隻に急増。長崎でも、以前は2年に1回のペースだったものが06年以降は毎年と変わった」と指摘しました。
そして「地位協定は接岸料と水先案内の免除しか保障しておらず、寄港の許可の権限などは国内法(港湾法)に基づいて知事にある」ことを明らかにし、知事が自信を持って拒否できるよう運動を強めていこうと呼びかけました。
集会参加者は接岸するブルーリッジに「われわれは歓迎しないぞ!」「ブルーリッジは長崎から出て行け!」「港の軍事利用反対!」「戦争への道は許さんぞ」とシュプレヒコールを浴びせました。
接岸するブルーリッジ
歓迎の意思を示す人たち。後ろにはブルーリッジ乗り組み員のためにチャーターされたバス(4台)
(2009年2月5日)