今度は車の窃盗・ひき逃げ
犯人は米軍住宅に逃げ込む

 何度も「綱紀粛正」が言われながら、けっして無くならない、米軍兵士の犯罪。根本には日本で犯罪を犯しても大きな罪に問われない現状があります。今回も米軍関係者と見られる、車の窃盗・ひき逃げ事件が発生しました。

 報道によると、12月7日午前4時40分ごろ、JR佐世保駅近くの路上で軽自動車を盗まれたという通報があり、佐世保署が捜索していたところ、午前5時15分ごろ米海軍佐世保基地近くで信号待ちしている盗難車を発見。佐世保署の巡査が停止させ、助手席のドアを開けて職務質問をしようとしたとき車は急に逆送して逃走。巡査は転倒し肩などに軽い打撲を負いました。
 運転していたのは外国人と見られ、300メートル離れた米軍住宅地区のゲートを突破し、基地内に駐車してあった2台の車に衝突。その後10メートルほど走って基地敷地内の壁にぶつかって止まりました。米軍の警備担当者が駆けつけたときには誰も乗っていなかったといいます。

 運転していた男は外国人らしく、米軍基地に逃げ込んだことから米軍関係者と思われます。警察は道交法違反(ひき逃げ)や公務執行妨害などの疑いで行方を米軍とともに追っているということです。

 法務省がまとめた07年の米軍関係者による日本が一次裁判権を有した犯罪事件の起訴率は、全体で48・6%、強盗や窃盗など刑法犯にかぎると起訴率はわずか13・3%です。それは起訴53件に対し、不起訴345件。とくに強姦、強盗、傷害致死、詐欺、横領、公務執行妨害は不起訴のみ(琉球新報08年12月1日付)。背景には1953年に日米両政府が重要案件以外、日本側の第一次裁判権を放棄するとした合意があります。

(2008年12月9日)