「ありあけ」インド洋派遣に抗議する

 11月10日、海自佐世保基地から「護衛艦ありあけ」がアフガンでの戦争支援のために戦時派遣されました。「ありあけ」の出港は3度目となります。同日、呉基地を出港した「補給艦とわだ」とともにインド洋へ向かいます。

 佐世保市平和委員会と佐世保原水協は午前10時から干尽岸壁で海外派兵に抗議する集会を開きました。

 主催者を代表して山下千秋さん(佐世保原水協理事長)があいさつ。あと二ヶ月で新テロ特措法が切れる可能性のあるのに現場から政治を(延長を)促すかのように派兵が強行されようとしていると指摘しました。これは戦前、軍部が独走したことを想起させ、軌を一にするかのように前航空幕僚長が政府見解を否定する論文を出し、活字によるクーデターともいえる事態が進行していたと強調しました。
 そして昨年まで佐世保からの自衛艦の出港数は全体の3分の1だったが、今年になって2分の1に増えている。佐世保が海外派兵、戦争できる国づくりの最先端の役割を強要されていると強調しました。
 一方、アフガンはテロがおさまるどころか治安は最悪で、戦争ではテロはなくせないことが明白となっている。だからこそアフガン政府自身がタリバン勢力との和平交渉に踏み出そうとしている。そんな流れに無視して自衛隊を派兵することはテロ根絶とも逆行する。新テロ特措法の延長を認めないという世論を広げていこうと呼びかけました。

 参加者は出港する「ありあけ」に対して、「海外派兵は中止せよ!」「新テロ特措法の延長反対!」などとシュプレヒコールを繰り返しました。

 従来、インド洋へ出発する岸壁は立神桟橋でしたが、今回はじめて倉島岸壁が使用されました。約60億円をかけた岸壁整備によって大型護衛艦の接岸が可能となっていました。

 すぐ隣には最新の掃海艇「ひらしま」が係留されていました。1991年、湾岸戦争後にこの倉島岸壁から、はじめて自衛隊が海外に派遣されたのが掃海艇「ひこしま」でした。退役した「ひこしま」の代替として建造されたのが「ひらしま」です。17年経ち、同じ岸壁から大型の護衛艦による明確な憲法違反の海外派兵が強行されるまでになったことを心に留めておく必要があります。

(2008年11月10日)