海自はインド洋派遣計画の中止を

 国会で「対テロ戦争」支援のための給油新法(新テロ特措法)の延長問題が議論されている最中の10月30日、統合幕僚監部は第4次の「支援部隊」の出港をアナウンスしました。

 11月10日、海自佐世保基地から護衛艦「ありあけ」が、呉基地から補給艦「とわだ」が出港します。佐世保平和委員会と佐世保原水協は7日、佐世保地方総監部を訪れ、海上自衛隊のインド洋派遣計画を中止・撤回するよう申し入れました。

 申し入れ書は、アメリカの報復攻撃から7年たって明確になったのは「戦争でテロはなくせない」ことであり、いま必要なのは「政治の増派」だとしています。そして海自のインド洋戦時派遣は世界の平和の潮流に逆行するだけでなく、「憲法九条守れ」の国民的願いを踏みにじるものだと批判。その中心的役割を佐世保が担わされているとして計画の即刻中止を求めています。

 甲斐総務課長が、総監部門前で申し入れを受けました。

(2008年11月08日)


海上自衛隊佐世保地方総監部 加藤 保 海将 様

海自のインド洋派遣計画は即刻中止撤回せよ

2008年11月7日
原水爆禁止佐世保協議会理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会   会長 篠崎義彦

 防衛省統合幕僚監部は、またしてもインド洋への海自艦船派遣計画を公表しました。佐世保基地からは護衛艦「ありあけ」を11月10日出港させる予定です。

 新テロ特措法は、あと二か月余りで期限切れという中で、延長するかどうか現国会で審議中のさなかでの海外派兵の強行です。

 アメリカによる報復戦争開始から七年、アフガニスタン情勢は年々悪化し、いま最悪の事態に陥っています。国連事務総長は、今年九月、「治安情勢は著しく悪化し、八月の治安事件数はタリバン政権崩壊以降最多」と報告しています。いまやはっきりしたこと、それは「戦争でテロはなくせない」ということです。

 そのために、アフガン政府自身がタリバン勢力との和平交渉に踏み出しています。国連の現地特別代表は、いま必要なのは「軍の増派」ではなく「政治の増派」だと強調しています。

 アメリカの戦争を支援する活動は、アフガンや国際社会の流れに逆行するものです。何よりもこの戦争で全く罪のないアフガンの犠牲者は今年だけでも577人にのぼっています。そして、この戦争支援のために、700億円もの税金が投入されています。

 「海外派兵やめよ」、「憲法9条守れ」の声は、国民的要求です。この願いを真っ向から踏みにじる海外派兵の実行が特にこの佐世保から始まり、中心的役割を担わされていることに、私たちは心を痛めています。特に今年になって4回の派遣中3回まで、また派遣艦船中50%が佐世保基地からの派遣となっています。まさに憲法改悪、再び戦争できる国づくりの最先端をにわされているといわなくてはなりません。同じ佐世保市民の海自隊員のみなさんの誰一人として犠牲になってもらいたくないし、同時にアフガンの人々の殺害に手を貸すような役割を果たしてもらいたくないのです。

 人殺しの米軍にただで油をあげるようなお金があるなら、燃料高騰で漁に出ることもままならない漁業者に回してもらいたいと願っています。直ちに海外派兵計画を中止してください。

要請事項
  一、憲法違反の海外派兵計画をただちに中止・撤回すること。