米軍針尾住宅地区5度目の拡張要求

 9月25日、佐世保市は米海軍が「家族住宅及び関連支援施設建設のため」に「針尾住宅地区」の隣接地約36,000m2の提供を要求していることを明らかにしました。9月12日付で九州防衛局から紹介があったものです。提供予定は2010年度。

 要求の内訳はハウステンボスの第5駐車場となっている約31,000m2、住宅地区メインゲート前の佐世保市道用地約3,000m2と、それに隣接する県道用地約2,000m2です。ハウステンボス側は「駐車場は年に数回、多客期に使う程度。更生計画で売却する方針だった」(長崎新聞)としています。

 佐世保市有地は道路用地計約5,000m2です。佐世保市は今後、市議会に諮って決定するといいます。いっこうに明らかにされない原潜ヒューストンの事故状況、原子力防災訓練への参加拒否といった姿勢を続ける米軍に対して、どのような態度をとるのか注目されます。

 一方、この道路提供によって「釜墓地」−−太平洋戦争で亡くなって浦頭港に引き揚げられたものの身元不明者の遺骨が眠っている−−への交通が断たれるために代替の市道(約5,000m2)をつける計画です。したがって日本政府がハウステンボス側に支払う金額(買い上げ?借り上げ?)は約36,000m2相当分となります。

 「針尾住宅地区」は米艦船の佐世保母港化が始まる中、県が所有していた針尾工業団地の一部、約215,000m2を提供することで開設されたものです。その後、隣接する土地の提供が続けられ、今回が5回目の提供要求です。これが実現すると計約353,000m2と当初面積の約1.64倍に拡張されることになります。


赤い囲みが現在の針尾住宅地区

(2008年9月27日)