真実をとらえ、運動の原動力に
憲法改悪阻止県共同センターが秋の学習会

 9月12日、憲法改悪阻止長崎県共同センターは秋の学習会を開きました。ちょうどアフガンでの軍事行動に海自を加担させる「テロ特措法」の継続が困難になったとして首相が2代続けて職を投げ出し、そして政府がイラクから空自の撤退方針を決め、ますます「海外派兵恒久法」の策動が強まる中、時宜にかなった学習会となりました。

 講師は、ながさき平和委員会事務局長の冨塚明さん。「考えよう!日米安保のいま」と題して、アメリカの世界戦略のなかで急速に進む米軍と自衛隊の一体化の実態を詳しく語りました。

「ミサイル防衛」のまやかし
 冨塚さんは、多額の軍事費を使って進められている「ミサイル防衛」計画は、決して日本を守るものでないことを06年の北朝鮮のミサイル実験の際の米軍・自衛隊の動きなどから指摘しました。そして「ミサイル防衛」は、報復を恐れずに米先制攻撃を容易にするためのシステムであり、実現の可能性はひじょうに低いが、日常的に自衛隊を米軍の指揮下におき、米国の起こす戦争に自動的に参戦させるところに本質があると強調しました。

「在日米軍」の真実
 また「在日米軍」は日本防衛のために組織された軍隊ではなく、米太平洋軍がその世界戦略のために必要とされる部隊を日本に駐留させているに過ぎないこと。日本の領土・領海・領空に存在する米軍を単に「在日米軍」と呼ぶのであって、日本の領域から離脱すると安保条約も地位協定も及ばない存在になる。日本防衛と無関係の、文字通り、日本を足場にしている駐留米軍の実態を知らせることで、「思いやり予算」などとんでもないという世論を広げていくべきだと主張しました。

「恒久法」の危険な狙い
 行き詰まった「テロ特措法」に代わって検討の始まっている「海外派兵恒久法」は単に自衛隊をいつでも、どこでも戦場に送りこむだけでない。それは自衛隊が安全確保活動や警護活動といった任務遂行のために武器を使用する「人殺しの軍隊」になることであり、9条改憲の先取りであると指摘しました。

グローバル安保=日米安保の第3段階
 さらに、日本専守防衛から始まった日米安保が、米軍の戦略の変更によって、アジア太平洋安保に広がり、そしていまやグローバル安保へと変貌しつつある。それにともなって自衛隊の任務が飛躍的に拡大していった。「恒久法」もその流れの中で出てきていると捉えることが重要だと述べました。

平和のロードマップを描こう
 しかし、アジアの和平の流れは確かなものであり、私たちこそが本流だ。それをいっそう強めることによって、多くの国民が安保条約を必要と考えない時代がやって来る。そのときこそ「9条をもつ国にふさわしい平和で多彩な国際貢献の道が開ける」と強調し、「平和のロードマップ」をつねに描きながら運動を展開しようと呼びかけました。

(2008年9月13日)