LCAC新駐機場建設費が250億円に
佐世保「すみ分け」事業に約70億円を請求


LCAC新駐機場の建設工事。総事業費は250億円に膨れ上がった。

 9月1日、九州防衛局が09年度予算の概算要求として佐世保における3つの「すみ分け」事業に約69億5千万円を要求したことが明らかとなりしました。内訳は次のとおり。

  • 佐世保港の新岸壁建設費   約30億1500万円
  • LCAC新駐機場整備費   約38億9300万円
  • 佐世保弾薬補給所移設調査費 約   4500万円

 この中で九州防衛局はLCAC新駐機場整備費が約250億円に膨れ上がることを明らかにしました。米軍からの要求で、エンジンテストをする試運転場の騒音や排熱の対策強化などが必要となったためといいます。当初、駐機場整備費は100億円とされていました。それが、05年には150億円(埋め立て費に約130億円、その他で20億円)に変更、そして今回、当初予定の2・5倍の250億円となるというのです。まったくふざけた話です。国民の反発を恐れて小さく見せかけておいたとしか思えません。


米軍専用岸壁には埋立地を安定化させるために盛り土がされている。
完成後には、この盛り土はLCAC新駐機場の埋め立てに使われるという。

 また米軍専用の新岸壁建設費も今回の要求が通れば、これも当初の200億円を突破することになります。

 一方、佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)の機能を針尾弾薬庫に集約・強化する計画では、建物の配置を決めるコンサルタント料として約4500万円を要求しています。建設のための同意が必要な10団体のうち、針尾漁協、佐世保市漁協と東浜一組自治会の3団体の同意が得られず、設計費は盛り込まれていません。

 「すみ分け」3事業は住民の基地撤去の願いを逆手にとって国民の税金で進められているもので、在日米軍再編の先取りそのものです。

「すみ分け」3事業に投入された税金(億円)
年度 専用岸壁 LCAC
新駐機場
針尾弾薬庫
近代化
1999 0.07 0.08
2000 0.36 1.56 0.15
2001 1.80 1.73 0.25
2002 0.62 2.14 0.84
2003 49.00 6.36 0.54
2004 42.00 17.18 0.86
2005 30.00 42.00 0.65
2006 26.38 30.33 0.65
2007 33.41 26.97 0.38
2008 4.05 26.59 7.49
合計 187.69 154.86 11.89

(2008年9月2日)