現状では原子力艦船の入港拒否も 8月18日、佐世保市議会の基地対策特別委員会が開かれ、放射能漏れを起こした原潜ヒューストンに関する意見書案が全会一致でまとまりました。 今回の事故発覚後、佐世保市長や県知事は、ヒューストンの入港は拒否するものの、他の米原子力艦船の入港は容認するという姿勢を取っており、原潜寄港の回避要請もしていません。予想通り特別委員会に提出された当初原案では、原子力艦船の入港拒否問題は、全くふれていませんでした。 1964年のシードラゴン以来、佐世保港には延べ300隻以上の原子力艦船が寄港しています。テロ事件以降の原潜の入出港情報の非公開、原子力防災訓練への米軍不参加、原子力空母の準母港化への動き。そんな中でのヒューストンの放射能漏れ事故では、米軍から日本への通報が遅れ、さらに国から自治体への通報はもみ消されかけていました。しかも事故原因不明のまま、同型艦のラ・ホーヤが2度にわたって寄港・・・・。 米軍との共存共栄を掲げる保守会派でさえ「市民の苦労がわかっていない」などと、憤りや不満の声を上げ、「入港を安易に認めない」というところまで到達したといえます。特別委員会の永山正幸委員長は、意見書案で原子力艦の入港拒否を示唆した理由を、「要望が水掛け論で終わるなら入港拒否も辞さないとの姿勢を示した」と話しています。(朝日新聞) 意見書は21日の臨時市議会本会議で全会一致で採択される見通しです。 (2008年8月19日) 米原子力潜水艦「ヒューストン」の冷却水漏洩に関する意見書 去る8月2日以降、外務省からの報道により、米海軍原子力潜水艦「ヒューストン」が2006年6月から2008年7月までの約2年間にわたり放射性物質を含む冷却水を漏洩していたことが確認されたこと、そして、その量は人体、海洋生物、環境を危険にさらすものではないとの公表がなされました。 この外務省から本市への通知が、報道機関の問い合わせよりも遅滞していたことは、国防という国策に協力することを基調としている本市との信頼関係上、まことに残念なことであり、また、現時点においても政府関係者による佐世保港への視察あるいは現地での説明責任がなされていないことは、まことに遺憾なことであります。 さらには放射性物質の漏洩については、微量であるということで容認されるものではなく、漏洩そのものが論じられるべきであります。 頻繁に米海軍原子力潜水艦が寄港する佐世保港を抱える本紙の市民に取りましては、放射性物質漏れという重大な事故が発生していたこと、そして、そのことの通知が遅滞していたこと、さらには、モニタリング体制が完備されている状況にないこと、原子力艦原子力防災訓練に米軍が不参加であること等の現状に対し不安と危惧の念を抱いております 本市議会としても、原子力艦船の安全性、監視体制、防災体制の確立がなされないままの原子力艦船の入港を安易に認めるものではありません。 よって、政府におかれては、佐世保港における放射性物質漏洩という事態の重大性にかんがみ、下記事項が実現されるよう要請いたします。 記
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 |
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