ヒューストンの放射能漏れは2年間


米攻撃型原子力潜水艦ヒューストン(米海軍のホームページから)

 8月7日、外務省は米海軍の攻撃型原子力潜水艦ヒューストンの放射能漏れは、数ヶ月ではなく06年6月からの2年間にわたっていたことを明らかにしました。ズムワルト在京米大首席公使からの通報によるものです。その一方でコンピューター分析による各寄港地で漏出した「放射性物質の全体量は極めて少なく、人体、海洋生物、環境を危険にさらすものではない」と強調しています。

 この間の日本への寄港を時系列で示すと次のようになります。

 06年 7月16日      佐世保
 07年 1月25日〜29日  横須賀
     2月 2日      佐世保
     3月17日      沖縄ホワイトビーチ
     3月23日      沖縄ホワイトビーチ
     4月13日〜18日  佐世保
    12月 7日〜11日  沖縄ホワイトビーチ
    12月15日      沖縄ホワイトビーチ
 08年 3月12日      沖縄ホワイトビーチ
     3月27日〜4月2日 佐世保
     4月 6日      佐世保

 今回も漏出した放射性核種、漏れたバルブの設計などは一切明らかにされておらず、原子力推進炉に関する機密がネックになっています。

 しかし、それ以上に注意しなければならないのは今回の「公表」のねらいです。これまでの「原子力艦船は事故は起こさない。安全だ」の一点張りの姿勢から、「たとえ漏れたとしても量は微量で人体に影響はない。安全なのだ」と明らかに米海軍の方針転換をおこなったといえます。それは何が何でも原子力空母を日本に受け入れさせる意図からと思われます。

(2008年8月7日)