米原潜ヒューストンが放射能漏れ事故
8月1日、米CNNは、米海軍の攻撃型原子力潜水艦ヒューストンが、数ヶ月にわたって「ごく微量」ながらも放射能汚染された水が漏れていた可能性があることを報道しました。その間、ヒューストンは日本にも寄港していたため、米海軍は日本政府に通知しましたが、それは原子力空母レーガンの佐世保出港後のことでした。しかも外務省は放射能漏れが「微量」であることを理由に「隠ぺい」するつもりでした。 放射能漏れはヒューストンがハワイのパールハーバーで定期点検中に発見されたといいます。原子炉エンジン室付近から水が被覆バルブを伝わって漏れつづけたが、原子炉本体に接触した水ではないこと、外務省は「冷却水」と公表していることから、その「水」は加圧水炉の二次冷却水と思われます。放射能汚染の原因は明らかにされていません。 ヒューストンは核攻撃能力の認証を受けた原潜です。3月12日午後に沖縄ホワイトビーチに寄港して一時停泊。その後、佐世保基地に3月17日から4月2日、4月6日に寄港しています。 8月2日付のグアムピーディーエヌ・コムのウェブサイトではこの間の経緯を時系列で記しています。
漏出した放射性核種などは一切明らかにされておらず、「ごく微量だから安心せよ」という米軍発表をそのまま信じるわけにはいきません。日本政府は米海軍に分析データの公表を迫るべきです。 一方、外務省に放射能漏れの連絡があったのは放射能漏れが確認されてから1週間以上たった1日午後3時以降のことで、7月28日から佐世保に寄港していた原子力空母ロナルド・レーガンは出港した後でした。7月25日にはハワイ保健省に警告を行なっていたわけですから、明らかにレーガン滞在中の通知を控えたといえます。 しかも外務省は「人体に影響ない」「文部科学省の調査で特異な数値は検出されていない」ことを理由に、「公表することはない」と判断していました。高村外相にさえ連絡せず、外相は米CNNのニュースを見て知ったという始末です。関係自治体への通知もニュース後となりました。 佐世保市は今回の事故に対して「ヒューストンについては入港を拒否するが、ほかの原潜については従来の態度をとる」としています。「安全神話」が崩れ去った以上、住民の安全を守るために、「事前非公表」の取り止め、原因究明まで米原潜の入港拒否、原子力防災訓練に不参加の米軍へのペナルティを追求すべきです。 (2008年8月3日) |
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