戦争支援より国民生活の支援を
インド洋戦時派遣に抗議!

 7月24日午前11時過ぎ、米軍などのアフガン攻撃の後方支援のために、海自佐世保基地から自衛艦2隻がインド洋へ戦時派遣されました。「補給艦はまな」は7度目、「護衛艦ゆうだち」は3度目となります。01年からの通算で、佐世保からの出航は延べ25隻となりました。

 立神桟橋での出航式で高嶋博視護衛艦隊司令官は、「インド洋派遣はテロ根絶の強い意思をあまねく世界に示すことであり、わが国の国益にも合致する」ものと述べ、「国益」を強調しました。そして時代錯誤の軍艦マーチの鳴り響く中、隊員たちは出航していきました。

 この日、干尽埠頭では佐世保平和委員会・原水協による抗議集会が開かれ、佐世保平和委員会の篠崎義彦会長が主催者あいさつを行いました。

 ブッシュ大統領の補佐官だったマイケル・グリーンが最近、自民党国防部会で講演し、「アメリカの要求に、『できるよ』と答えられるようになれ」と要請しています。しかし昨年の参議院選挙後、国民世論の力が、一時的とはいえ派遣されている自衛隊を引き戻し、思いやり予算の特別協定を参議院では否決しました。また岩国市長選挙を見ても、国民世論が日米同盟を揺るがしています。グリーンの発言はブッシュ政権のいらだちを代弁したものです。日米支配勢力の方向には未来はありません。大義名分のない自衛隊の補給活動反対、アフガン戦争反対の世論を強めましょう。

 参加者からは次々と怒りの声が出され、決意が述べられました。

  • 中小業者はガソリン値上げによって廃業・倒産が相次いでいる。新テロ特措法による燃料の無償提供などもってのほか。怒りをもってインド洋派遣に抗議する。
  • 底辺の人たちが悩み苦しんでいるときに、自衛隊は莫大な費用を使っている。軍事費を減らせば、社会保障費削減をしなくても済む。平和と自由と民主主義を求めて頑張っていきたい。
  • この間、日本中の漁船が漁を見合わせた。そんな事態なのに、なんでアメリカの戦争のために国民の税金で油を提供しなくてはならないのか。怒り心頭だ。日米軍事一体化の下、原子力空母が28日に入港する。佐世保は空母の補給基地だけでなく、出撃基地にもなろうとしている。そんなことはけっして許してはならない。
  • 政府の目はアメリカにばかり向き、『非国民』そのもの。歴史を動かすのは一人ひとりの小さな運動の積み重ね。それが世界を変えていく原動力。真の独立と平和を求める立場で頑張っていきたい。

 今年4月の名古屋高裁判決は、イラクでの自衛隊の空輸活動を「戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援」と認定しました。インド洋での燃料補給も同じで、武力行使と一体化したものです。燃料補給が決して「テロ対策」に役立っていないこととあわせて、真実を国民に伝えていくことが急務となっています。


7度目の戦時派遣となった補給艦はまな


立神桟橋を離れる護衛艦ゆうだち

(2008年7月25日)