“基地誘致には良いことも悪いことも”
佐世保市基地政策局長 宿毛からの調査団に語る


基地政策局長の講演を聞く宿毛からの調査団

 7月12〜13日、高知県宿毛9条の会や県西部平和委員会・宇和島平和委員会の人たち18名が佐世保基地調査に訪れました。宿毛港には06年、08年と米イージス艦が寄港し、米軍機のタッチアンドゴー誘致の動きも表面化しています。そこで基地が誘致されたらどうなるのか、佐世保の現状を自分たちの目で確認したい、「経済効果」は果たしてあるのか、行政側の話も聞きたいとツアーを計画しました。

 12日は交流集会が開かれ、佐世保市基地政策局長の原口優秀さんが、佐世保市の基地返還の取り組み、基地交付金と経済、米兵による事故・犯罪について講演しました。それを受けて調査団の方々から的を得た鋭い質問が出され、行政側も誠実に回答するなど、有意義な交流集会となりました。
 以下、主なやり取りを紹介します。

問:佐世保市が求めているのは『返還』ではなく移動ではないのか?
 確かに税金を使い、移転先には負担をかけ、『たらい回しという感はある』が、返還跡地を有効活用でき、市民により高い福祉が展開できるものと考えている。
問:佐世保市民は交付金など、基地があることで楽になっているのか?
 市の予算に匹敵する1000億円程度が動いているはず。四ヶ町はシャッター通りにならずに活気を保っている。有形無形の効果があるはず。それが具体的に市民の暮らし・福祉に回っているかは算出していない。
問:基地誘致はプラスになるか?
 パラダイスではない。「良いことも悪いこともある」と覚悟すべき。佐世保は明治時代から基地があり、人々はその中で過ごしてきて、あきらめ・当たり前の感がある。しかし新たに誘致するときはよく考えた方がいい。
 「返還」運動をするのは基地があるから。基地によって市民に負担がかかっている。それを少しでもよくしたい。だが基地がなければ必要のないことだ。返還には多大な労力と時間がかかる。

(2008年7月13日)