県内の米兵889人が基地外居住
川棚・波佐見・佐々にも


佐世保市赤崎町の米軍専用民間住宅「ビューハイツ西海」

 6月30日、防衛省は在日米軍関係者(軍人、軍属、家族)の今年3月末時点の市町村別居住者数を発表しました。これは最近の相次ぐ米軍関係者による事件を受けた「再発防止策」の一環として米軍が年に一度公表するとしたものです。

 それによると全国の居住者総数は9万9295人、うち基地(施設・区域)外の居住者は約25%の2万4808人にのぼります。米兵(軍人)に限ればそれぞれ4万9364人、1万2009人となっています。

 一方、長崎県内居住の米兵は3061人、うち889人が基地外に居住しています。今回初めて川棚町に8人の米兵が居住していることが判明しました。また波佐見町、佐々町にもそれぞれ3人、4人が居住しています。佐世保市以外になぜ米兵が居住しているのか理由は不明です。

市町村 全居住者数 施設・区域内 施設・区域外
軍人 軍属 家族 軍人 軍属 家族 軍人 軍属 家族
佐世保市 5,426 3,046 178 2,202 3,617 2,172 37 1,408 1,809 878 141 794
川棚町 44 8 5 31 0 0 0 0 44 8 5 31
波佐見町 7 3 0 4 0 0 0 0 7 3 0 4
佐々町 7 4 2 1 0 0 0 0 7 4 2 1
合計 5,484 3,061 185 2,238 3,617 2,172 37 1,408 1,867 889 148 830

 住宅不足を解消するため、在日米海軍司令部住宅管理部は「賃貸住宅提携プログラム(Rental Partnership Program)」を進めています。これは米軍が居住者(米軍人)を保証するという形で、基地外に事実上の米軍住宅を民間業者に建設させるものです。軍人・家族や独身者に対して、質の高い(3LDKを基本に家電製品が完備)、手ごろな家賃の民間住宅を提供することが目的です。
 佐世保基地でも04年から佐世保商工会議所をまきこんで、民間住宅の建設が進められています。

【現在判明している佐世保市内の米軍専用民間住宅】

場所 名称 階数 戸数 間取り 広さ
大潟町 BAY PLACE HOUSE 3F 21 3LDK 108m2
赤崎町 FLEET AKASAKI I 5F 25 3LDK 123m2
赤崎町 FLEET AKASAKI II 6F 25 3LDK 123m2
赤崎町 FLEET AKASAKI III 7F 25 3LDK 123m2
赤崎町 ビューハイツ西海 7F 30 3LDK 108m2
勝海町 ROSE HILL 10F 45 3LDK 70-81m2

【防衛省が公表している在日米海軍の基地外居住要件】

  • 給与水準が上等水兵以下に該当する単身者であって、海上の部隊に配置されている者を除くすべての軍人。
  • ただし、陸上勤務を命ぜられた単身者であって、施設及び区域内の住宅が無い旨の証明を得て、かつ、司令官の承認を得た場合は、二等水兵から大将までの給与水準に該当する在外住宅手当を受け、施設及び区域外に居住することができる。
  • また、海上勤務を命ぜられた単身者であって、給与水準が四等兵曹(四年以上服務を要する。)以上に該当する者については、司令官の承認を得た場合は、在外住宅手当を受け、施設及び区域外に居住することができる。


佐世保市大潟町の米軍専用民間住宅「BAY PLACE HOUSE」

(2008年7月9日)