イージス艦のレーダー試験で騒音
海上自衛隊の保有する6隻のイージス護衛艦のうち5隻を建造した三菱重工長崎造船所。佐世保基地配備のイージス艦がしばしば修理のために長崎造船所にやってきます。そのレーダー試験にともなう騒音に住民から苦情が寄せられ、中止を求める自治会も出ています。 避けられない航空機騒音 しかしP3Cは4基のプロペラによる騒音が大きく、これまでも飛行経路下の住民から苦情が出ていました。今回も「頭から押し付けるような不気味な音が頻繁に聞こえる」といった訴えがあり、長崎署には「飛行音は何か」といった問い合わせが8件寄せられたといいます。 騒音を減らすにはP3Cの飛行高度を上げればいいが、逆に目視できなくなります。また港外では波が高く艦が安定しないため、港内で試験をするしかないといいます。深夜の試験時間を短縮し、住宅が集中する市街地での旋回を控えることで、騒音を低減させることしかできず、騒音被害が必至の試験といえます。 中止を求める声を上げた自治会 山本会長は9日に市役所を訪れ、次の2点を長崎造船所に要請するよう市長に申し入れ、文書での回答を求めました。1.市民の安全を守るため、長崎港でのイージス艦のレーダー試験を直ちに中止すること、2.イージス艦レーダー試験の実績や、建造及び修理などの実績について市民に公表すること。 「ミサイル防衛」と海外派兵の準拠点として その一方、佐世保の護衛艦の修理も日常的に長崎造船所で行われており、当然インド洋へ戦時派遣された護衛艦もすべて修理されています。 これらのことは現在の自衛隊は民間技術者の支援なしでは自衛隊部隊の維持、作戦遂行が不可能であることを示しています。その意味で三菱長崎造船所は海自佐世保基地の補完基地になっているといえます。 防衛省昇格とあわせて自衛隊の本格任務に「海外活動」が追加されました。「国際貢献」の掛け声のもと米先制攻撃戦略に沿う形で、自衛隊の海外派兵、「ミサイル防衛」への加担が始まっています。被爆地長崎港の軍事利用はますます強化の道を歩まされようとしています。 2008年5月9日 長崎市長 田上富久様 椎の木町第2自治会 イージス艦レーダー試験中止等に関する要請 5月7日夜、近所の方から「飛行機が何回も飛んでいるが、何事が起こったのか、不気味だ」との訴えがあったので、翌日、市役所の総務部長に電話で問い合わせました。しかし、「調べたが分からない」とのことでした。ところが、昨日8日も「また、飛んできた」との声で外に飛び出したら、上空を不気味なうなり音を立てて、15分間隔ぐらいで、何回も飛んでいました。夜7時頃から11時ごろまで、テレビをつけていても聞こえる大きな音でした。 9日の朝、判明したことは、三菱重工長崎造船所で、現在、修理中の海上自衛隊イージス艦のレーダー性能試験のために、P3C哨戒機が飛んでいるのではないか、と云うことでした。早速、三菱長崎造船所の総務課に問い合わせたら、事実でした。担当者の話では、「三菱長崎造船所でのレーダー試験は、以前からやっていたが、住民の苦情があったため、今回は事前に関係官庁やマスコミ関係者にお知らせしていた」とのことでした。「なぜ、長崎上空で試験をやるのですか」と尋ねたところ、「三菱長崎造船所でイージス艦を建造した実績があるから」とのことでした。 海洋自衛隊のイージス艦は、漁船の衝突事故で大事件を起こしたばかりです。こんな軍艦が、被爆都市であり、水産都市の長崎港に入港を繰り返していることは重大なことです。下がって、長崎市に対し、次のことを申し入れます。 記
(2008年5月10日) |
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