イージス艦ラッセン長崎寄港へ

 2月8日、長崎県は米海軍横須賀基地配備のイージス・ミサイル駆逐艦ラッセンの長崎寄港を発表しました。

 当初は、同基地配備のミサイル巡洋艦シャイローが2月16日〜20日に寄港する予定でした。しかし7日夕方になって長崎海上保安部から県にラッセン寄港の連絡がありました。変更理由については何の説明もなく、寄港期間も1日早くなって15日午後3時半〜19日午前7時となりました。

 また今月1日付でシーファー米駐日大使から長崎市長宛に「地元の歓迎を要求する」書簡が届いていたことが報道されました。
 書簡では「シャイローのような艦船(の寄港)は日本の防衛に対する米国の責務の目に見える具体的な例だ」と安保条約上の意義を強調しています。また「米国政府と米海軍は地元の懸念を重大に受け止めている」「われわれはよき隣人であらねばならない」「寄港目的は地元自治体との友好親善の促進、日本の社会と文化へに対する乗員の理解の向上、物資の補給、目に見える形で日本の安全保障に対する米軍の関与を示すことである」「地元の手厚いもてなしがあってこそ日米同盟は日本を防衛し、地域の平和を維持できる」としています。

 長崎県も長崎市も「被爆地の市民感情には複雑なものがある」として外務省やアメリカ大使館に入港回避を要請してきました。今月6日には長崎市長が直接アメリカ大使館にも足を運んでいます。米軍は受け入れ先の自治体の長がそれぞれ回避を要請しているにもかかわらず「友好親善」を目的とした寄港を強行しようとしています。一方的な「友好親善」や「歓迎の要求」は「よき隣人」のするべきことではありません。

 長崎港へのイージス・ミサイル駆逐艦の寄港は3年連続で、背後に一定の目的があることが伺われます。この間、横須賀配備の米艦船は空母、指揮艦を除いた9隻すべてがイージス艦に交代配備となっています。しかもそのうち5隻が弾道ミサイル迎撃艦(SM3搭載艦)です。長崎港への定期寄港は核トマホーク搭載疑惑の「露払い」と将来の三菱長崎造船所で修理・点検に向けた市民への地ならしではないでしょうか。

(2008年2月9日)