衆議院の再議決に断固抗議する!
新「米軍戦争支援法」が成立

 1月11日午後、米軍の戦争支援のための「新テロ特措法」が衆議院本会議で与党による3分の2以上の賛成による再議決の強行で可決成立させられました。これに先立つ午前の参議院本会議では同法案は賛成106、反対133で否決されたものです。

 憲法改悪阻止県共同センターは長崎市内でただちに街頭から福田内閣への抗議を呼びかけました。 宣伝行動には諸団体から13人がかけつけ、 4台の宣伝カーで 約2時間、「『新テロ法』は憲法違反であ り米軍の戦争支援そのものです」「軍事力でテ ロはなくなるどころか拡散する一方、平和憲法 を生かした外交努力こそ日本の責務」などと訴 えました。

 民意に背く、虚構の多数による暴挙に断固抗議します。
 そもそも衆参両院で法案の議決がそろわなかったら廃案とするのが二院制の原則です。現憲法の下、衆議院の再議決がたった1例しかなかったことがその証です。しかも衆議院の議席は「郵政解散」によって得た、過去の民意によるものであり、参議院での否決こそが現在の民意であり、多くの世論調査がそれを裏付けています。

 この6年、自衛隊はインド洋での米艦船等への「給油活動」を行なってきましたが、いっこうにテロはなくなりません。軍事力ではテロ問題は解決できないことは明白です。「テロ根絶のため」「国際貢献」は自衛隊の海外派兵のための口実に過ぎません。これ以上、自衛隊が米軍の戦争のための支援を行なうことは、動き始めたアフガンの和平の流れを妨害するものでしかありません。それは日本国憲法の精神を真っ向から踏みにじるものです。

 いま国会がなすべきことは日米軍事利権疑惑の徹底解明です。国民の税金を食い物にする軍需産業、防衛族議員の癒着の構造、とくに「ミサイル防衛」、「米軍再編」強化、武器調達など、起訴されている守屋前防衛事務次官のもとですすめられてきた政策を見直すことです。

 「新テロ特措法」の成立を受け、石破防衛大臣はインド洋への戦時派遣の再開に向けた準備を命令しました。1月下旬にも補給艦おうみ(佐世保基地)と護衛艦むらさめ(横須賀基地)が出航することになりました。
 今後ともインド洋への自衛隊の戦時派遣を許さない運動を展開しましょう。

(2008年1月11日)