山田洋行が佐世保に4148坪の土地
前畑弾薬庫の「返還」がらみか?

 日刊ゲンダイは12月24日、「奇怪!! 長崎・佐世保に山田洋行4000坪の土地」という記事を配信しました。

 問題の土地は前畑弾薬庫から約1キロ離れた準工業地域(佐世保市白岳町)にあります。記事によると、2000年4月に山田洋行のグループ企業「山田地建」が総敷地4148坪(約1万4千平方メートル;時価10億円!)の土地を売買取引で入手、現在は大阪の栗本鉄工所の関連企業である「佐世保メッキ」が山田地建から土地を借りて鋳物工業が稼働中といいます。また記事では、山田洋行と「防衛汚職の本命といわれる久間章生元防衛相」との関係を指摘し、前畑弾薬庫の返還を口実とした針尾弾薬庫の機能強化計画との関連を示唆しています。

 久間氏は防衛庁長官だった98年に、前畑弾薬庫の機能を針尾弾薬庫に集約・移転する「私案」を提示した人物です。それまで「針尾移転を含む市内移転反対」を掲げていた佐世保市長も針尾移転を表明し、99年度に初めて調査費が予算に盛り込まれたのです。そして山田洋行グループが土地を取得したのが翌年の2000年4月です。

 なぜ防衛・軍需を専門とする商社である山田洋行グループが佐世保に広大な土地を購入したのか? 調査費がついたことで前畑弾薬庫の移転がいずれ現実になるとして、返還後の跡地開発にともなう周辺開発での利権を得るために土地を取得した−−この間、続々と明るみに出ている「防衛利権」の実態をみれば、こう考えるのが必然ではないでしょうか。

 日刊ゲンダイの記事は佐世保市を「米軍・自衛隊施設がひしめく“軍事利権の巣窟”」と紹介しています。疑惑はまだまだたくさんあります。米軍「すみ分け事業」にかかわる談合問題も含めて膿を出し切ることが求められています。