「こんごう」が標的ミサイルを追跡


カウアイ島から発射される標的ミサイル(これは11月6日の写真)

 「ミサイル防衛」対応への改造工事が施されたイージス護衛艦「こんごう」は10月半ばかからハワイに滞在し、初めての迎撃テストに向けた訓練を続けています。

 11月15日、標的ミサイルを追跡する演習が行われました。ハワイ・カウアイ島のバーキング・サンズにある太平洋ミサイル評価施設から標的ミサイルが発射されると、すぐに「こんごう」は弾道ミサイル防衛システム(BMDS3.6)を利用して、標的を確認、追跡しました。つづいて迎撃ミサイル(SM3ブロック1A)の発射シミュレーションが行われ、装置は計画通りに動き、太平洋上空で数分後に模擬迎撃に成功したと報じられています。
 しかし日本国内での報道はなかったようです。

 「こんごう」の改造工事費用(SM3の取得を含む)は339億9727万円で04年度予算から支出、また迎撃テストにかかる費用は59億3312万円で、05年度予算から支出されます。いずれも米海軍省を通した契約で米軍需企業に支払われます。

 今回の演習は12月17日の週に予定されている実際の迎撃テストのための訓練です。すでに11月7日に実施された、米海軍による2発同時の迎撃テスト(FTM-13)の際にも、「こんごう」は標的(複数)を追跡し、模擬迎撃に成功したとされています。

 「こんごう」はSM3を1発を搭載して、迎撃試験(JFTM-1)を行います。迎撃に失敗しても、新型イージスシステム全体の有効性が認められれば、現地でSM3を搭載して帰国し、「実戦配備」されます。