米揚陸艦の修理騒音で眠れない夜


騒音をまき散らして修理中のハーパーズ・フェリー(10月28日)

 米海軍佐世保基地でドック型揚陸艦ハーパーズ・フェリーが定期修理に入っています。10月下旬から修理中の揚陸艦から「ブオー」という掃除機の音を拡大したような騒音が夜間も発生し、周辺住民からは「耳栓をして寝ても、ウオンウオンと頭の中に音が響き、眠れない」などといった苦情が寄せられています。工期を優先して夜間作業を行っていたことがわかり、基地側が対策をとるまで眠れない夜は約3週間にもおよびました。

 佐世保市が11月5日午後8時前に騒音測定をしたところ、工業地域の立神岸壁周辺で最高75デシベル、住居地域の赤崎地区で同54デシベルでした。騒音規制法による午後8時〜午前8時の騒音の規制値は工業地域で65〜55デシベル以下、住居地域で50〜45デシベル以下(朝日新聞)ですから、午後8時以降に測定していれば、それを上回る水準でした。

 佐世保市が11月2日に問い合わせた際、基地側は「作業は午後5時に終了している」と回答しましたが、騒音測定後の7日に再度問い合わせて初めて、夜間の作業を認め謝罪しました。
 翌8日には、騒音の原因は塗装替えに伴うもので、「塗料の除去に使う砂や、はがした塗料を吸い取る機械から発生している」と説明しました。しかし「同艦後部に予想外の損傷が見つかったので、1月までの工期に間に合わせるために今月24日まで24時間態勢で作業を続ける。騒音を抑える努力はする」と、夜間作業の中止には応じようとしませんでした。
 その後、13日までに夜間の騒音は止みました。基地側は騒音が外部に出ないよう機械をシートなどで覆う工事を行ったといいます。

 夜間の騒音が市民生活にとってどれほど苦痛か、考えなくてもわかるはずです。佐世保市の中止要請を受けてもなお工期を優先して夜間作業を続けたことは許せません。今回の工事騒音も、頻繁に繰り返されるLCACの内規違反の運用と根は同じです。米軍の都合を最優先し、日本の地域住民のことは省みない姿勢がそこにあります。それを許しているのは米軍に毅然とした態度を取らない日本政府であることは言うまでもありません。