針尾弾薬庫への新ルート検討へ
11月8日付の長崎新聞は佐世保市が米海軍針尾島弾薬集積所(針尾弾薬庫)への新しいアクセス道路を検討していることを報道しています。 前畑弾薬庫の移転・返還を名目にした針尾弾薬庫の機能拡張・近代化をめぐって地域住民への説明会が開かれています。住民には「もともと前畑で危険なものをなぜ針尾へ持ってくるのか」という根強い反対の声があります。その一方で「弾薬輸送車が住民の生活道路を通るのは危険」として迂回道路建設の要望が出ていました。 針尾弾薬庫への弾薬搬出入の中心は船を使った海上輸送ですが、大分県の日出生台演習場で強行している在沖縄海兵隊による実弾射撃演習への供給などには民間大型トラックで陸送しています。現在、国道から針尾弾薬庫へのアクセス道路は、有福町からのものと江上町からの2本があり、それぞれメインゲート、バックゲートにつながっています。 米軍が主に利用しているのは針尾バイパスにつながる有福町ルートですが、途中に狭いトンネル(幅5・5メートル)があり、米軍にとっても使い勝手の悪いものです。検討されている新ルートは、トンネルや集落を避けて北側に直線で迂回するもので、西九州自動車の大塔インターへのアクセスは飛躍的に向上します。実現すれば米軍にとっては願ったりかなったりでしょう。 実は新ルートの針尾バイパス付近には約250メートルの道路が既にできています。これは事業用土地開発を手がけている(株)高田屋が開発した「佐世保サクセスパーク」(総面積約19,000坪;3分の2が売れ残り)のためにつくられたものです。道路は回転広場で行き止まりで先は森林です。 佐世保市は国が全額負担する防衛補助での整備を計画しているようです。しかしこれを目当てに周辺の土地の先行買い占め疑惑があるといいます。予想されている北側のルートは土地がでこぼこで何十億円という道路予算が必要になるとも言われています。 ここにも住民要求を逆手にとった、米軍に使い勝手のよい環境づくり、むしり取られる国民の血税、軍事にかかわる利権といった構図が見えきます。 |
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