「テロ特措法」の延長を許すな!

 安倍首相が「職責を賭して」でもインド洋での給油活動をつづけるとした−−本人はその前に職責を放り投げたが−−「テロ特措法」の延長問題が臨時国会の大きな争点となっています。

●長崎市議会・厚生委員会が請願不採択

 9月7日、憲法改悪反対長崎県連絡会は長崎市議会に対して「テロ対策特別措置法の延長に反対する請願」を行いました。請願事項は「テロ対策特別措置法を延長しないこと」で、趣旨は(1)自衛艦のインド洋での給油活動は憲法をじゅうりんするもの、(2)アフガニスタンの状況は混迷を深め、自衛隊の活動が効果を上げていない、(3)国民に情報を開示せずに活動を続けようとしている、(4)憲法の平和原則を活かした活動への転換が求められている。紹介議員は井原東洋一さん(市民の会)と津村国弘さん(日本共産党)。

 請願は9月13日、厚生委員会で審議され、残念ながら賛成2名で不採択となりました。また請願人の意見聴取は認められませんでした。

 紹介議員の会派以外での賛成は中村すみ代議員(草の根クラブ)で、「アフガン攻撃を続ける米軍への支援は集団的自衛権の行使にあたる。国民には多額の負担と苦労を強いながら300億円もの莫大な支出をして給油を行っている」と賛成討論をしました。

 注目された最大会派の市民クラブ(民主党)の対応でしたが、田中洋一議員は「民主党がテロ特措法の延長に反対するのは国連決議に基づかない米軍の戦争への支援は違憲という立場からだ。意見書案の「武力の威嚇・行使を禁じた日本国憲法をじゅうりんするもの」という表現には同意できない。延長には反対であるが、意見書には同意できないので請願には反対」と述べました。他に野口三孝議員(自民明政クラブ)は「世界平和は、テロとのたたかいも含めて日本も世界の一員として守らねばならない」、向山宗子議員(公明党)は「テロ特措法は安保理決議に基づいたもの。テロ防止のために国内法の許す範囲で協力していきたい」と反対しました。

 政府与党は、「テロ特措法」に代わる「新法」を(参議院で否決されても)衆議院で再議決することで、給油活動の継続を狙っています。米軍の戦争支援を止めさせ、憲法の平和原則を活かしたテロ撲滅活動へ転換させるために、いま大きな世論喚起が求められています。

 現在、インド洋に戦時派遣されている「護衛艦きりさめ」(三菱長崎造船所建造・佐世保基地配備)は6年前に初めて戦時派遣された自衛艦で、現在が3度目の派遣です。


テロ対策特別措置法の延長に反対する請願

2007年9月7日

長崎市議会
議長 吉原 孝 様

請願団体           
   憲法改悪反対長崎県連絡会 
   住 所 長崎市桜町5−7
   代表者   原 章夫
   紹介議員 井原東洋一
        津村国弘

【請願趣旨】
 テロ対策措置法が11月1日に期限切れとなります。
 この「テロ特措法」は、9.11テロのあと、アメリカがおこなった「報復戦争」を受け、米軍などがアフガニスタンで続ける武力活動を支援する法律です。
 自衛艦がインド洋で米艦などへ給油を行っていますが、これらの行為は、武力による威嚇・行使を禁じた日本国憲法をじゅうりんするものです。しかも、混迷を深めているアフガニスタンの状況は、このような作戦が全く効果をあげていないことを示しています。
 また、政府は、派遣された自衛艦がどういう活動をしているのかをはじめ、さまざまな米軍支援の実態を国民に明らかにしないまま、延長をくりかえそうとしています。
 このテロ対策特別措置法の延長に反対し、憲法の平和原則を活かした活動への転換が求められています。つきましては、貴議会が、以下の事項を決議され、政府へ要請されるよう請願します。

【請願事項】
一、 テロ対策特別措置法を延長しないこと。

以上