空母キティホーク来るな
平和委員会など佐世保市長に申し入れ

 横須賀を母港とする米海軍空母キティホークが佐世保港に寄港するもようです。まだ公式発表はありませんが、新聞報道や外人バー関係者の話では11月7日といわれています。

 空母キティホークは長期にわたる航海から9月15日に帰港。ところが1ヶ月後の10月17日に横須賀を出港。きわめて異例のことです。その間には北朝鮮の核実験予告と「実施」がありました。その後、キティホークは10月23日にフィリピン、26日に太平洋、30日に南シナ海、11月1日は東シナ海を航海しているもようです(米国時間)。

 11月2日、佐世保原水協と佐世保市平和委員会は佐世保市長に対し、寄港反対の申し入れを行ないました。代表らは、「北朝鮮の核兵器開発計画は平和的な外交努力で解決されるべきもので、キティホークを佐世保にいれ、日本海に展開し、自衛隊との共同軍事演習計画は、すでに北朝鮮の6ヶ国協議への復帰が伝えられるなかで、平和的解決に逆行しかねないおそれがある」「佐世保への空母寄港は今年2回目となり、米海軍が計画しているといわれる佐世保の準母港化につながる動きだ」という二つの問題を指摘しました。同時に、米兵の事件犯罪から市民の安全を守るための万全の努力をおこなうよう求めました。

 対応した西野賢治助役は、「安保条約と地位協定のもとづくもので国策に協力する立場だ。事件犯罪防止については、関係機関とも連携し努力する」と答えました。

 その後、佐世保市基地対策室は次のような米軍リリースの内容を2日夕刻に発表しました。

  • 横須賀に前方配備されている「キテイホーク」「シャイロー」「ステザム」の3隻が、近い将来佐世保に入港する。
  • 今回は業務上の入港で、水平は通常の作業をおこなう。ただし、休暇もしくは特別上陸許可をとる者は除く。
  • 安全上の理由から、入港の日時を含む艦の行動については話せない。
  • 今回の入港は数ヶ月前から計画されていたもので、最近の事件に対応するものではない。

 佐世保原水協と佐世保市平和委員会ではキティホーク寄港時と出港時の抗議集会を行い、8日午後12時半からアーケード中心街で市民への宣伝行動の予定しています。


佐世保市長 光武 顕 様

空母キテイホーク佐世保寄港反対の申し入れ

2006年11月2日 原水爆禁止佐世保協議会 理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会 会 長 篠崎義彦

 米海軍空母キテイホークが7日、佐世保寄港するといわれています。入港目的は休養・補給といわれていますが、単純に額面どおりうけとめられない重大な意味が込められています。

 第一には、緊迫する朝鮮半島情勢にからんでいるからです。わたしたちは北朝鮮による、7月の弾道ミサイル発射事件にひきつづく核実験実施発表など、北東アジアの平和と安全を脅かすもので、これらの暴挙に強く抗議します。わたしたちは、北朝鮮が一切の核兵器開発計画を放棄し、無条件で6ヶ国協議に立ち戻ることを要求します。同時にこの問題を解決するにあたっては、国連決議にそって、武力行使ではなく、とことん平和的解決をめざすことを要求するものです。したがって、今回の空母キテイホーク佐世保寄港と引き続く日本海への展開、自衛隊との共同軍事演習計画は、この国連決議の平和的解決に逆行しかねない可能性をはらんだものとして認めることはできません。

 第二には、今回の空母キテイホーク佐世保寄港は、5月の原子力空母リンカーンに引き続いて二度目の寄港ということになります。一年間に二度の空母寄港は異例であり、これは佐世保を米空母の準母港化への地ならしではないかと危惧いたします。佐世保基地がますます増強され、米世界戦略に組み込まれ、在日米軍再編とからんで、ふるさと佐世保が日米共同の戦争基地にさせられることに抗議するものです。

 入港に際し、米兵の事件事故犯罪による市民の安全もたいへん心配です。以下、次のような事項を具体的に申し入れます。

要望事項

  1. 空母キテイホーク入港に反対の立場を表明されること。
  2. 米兵による事件事故犯罪から市民の安全が守られるよう、万全の努力を払われること。