佐世保米軍「すみ分け」事業
07年度予算に64億円を要求


新岸壁の建設工事は進む。総事業費は200億円。

 9月1日、佐世保市で開かれた「佐世保問題現地連絡協議会」(福岡防衛施設局、長崎県、佐世保市、海自佐世保総監部で構成)で福岡防衛施設局は07年度予算の概算要求として3つの「すみ分け」事業に約64億を要求していることを報告しました。内訳は次のとおり。

  • 佐世保港の新岸壁建設費  約35億1200万円
  • LCAC新駐機場整備費  約28億4500万円
  • 針尾島弾薬集積所の調査費 約   3800万円

 針尾弾薬庫の近代化では、前畑弾薬庫のトンネル式と同等の機能を持つ施設建設を新たに検討するため、初めて針尾弾薬庫敷地内の十カ所を深さ百メートル程度ボーリングする計画。この8月にも福岡防衛施設局が基本構想を示すと見られていましたが、「策定にはなお相当の時間が必要」と見送られました。佐世保市長は施設局に対し、08年度予算の概算要求前の来年6,7月ごろまでに基本構想を示し、地元説明会を開くよう要望しました。

 住民の基地撤去の願いを逆手にとり、「すみ分け」と称して米軍の使いやすい基地の建設が国民の税金を使って進められています。この3事業にはすでに今年度までに256億円が投入されています(新岸壁150億円、LCAC新駐機場102億円、針尾弾薬庫調査費4億円)。来年度分を含めると320億円に達します。

これまでに注ぎ込まれた基地強化予算(万円)
新岸壁 LCAC新駐機場 針尾弾薬庫近代化 合計
99年度 535   599 1,134
00年度 3,570 15,950 900 20,420
01年度 17,997 17,296 1,743 37,036
02年度 6,059 20,853 6,300 33,212
03年度 491,400 63,600 5,400 560,400
04年度 420,000 171,800 8,600 600,400
05年度 300,400 432,300 6,500 739,200
06年度 263,800 303,300 6,500 573,600


LCAC新駐機場の建設工事。総事業費は150億円。