ミサイル防衛予算に2190億円
07年度防衛庁概算要求

 8月31日、防衛庁は07年度予算の概算要求を決定しました。総額は4兆8636億円で、SACO関係費233億円、内閣官房の軍事偵察衛星関連経費655億円を含めると4兆9524億円になります。

 ミサイル防衛関連経費は、「本年7月の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案を踏まえ、追加的施策を含めた迎撃能力や情報収集・警戒監視能力を出来る限り早期に確保する」として2190億円を計上しています。これは06年度予算の約1.6倍(791億円増)となります。これには4隻目のイージス艦の改修とスタンダードミサイル3の取得と発射実験、4個目の地対空誘導弾システムの改修とパトリオットミサイル3の取得が含まれています。また空自春日基地のミサイル防衛対応化、PAC−3ミサイルの前倒し配備などが新規に盛り込まれています。

 BMDシステムの整備(1,717億円)

  • 海上配備型上層ウェポンシステム
    • イージス・システム搭載護衛艦の改修(1隻分;4隻目 )
    • SM−3ミサイルの取得
    • SM−3発射試験
  • 地上配備型下層ウェポンシステム
    • 地対空誘導弾ペトリオットシステムの能力向上(1個高射群分;4個目)
    • PAC−3ミサイルの取得
  • センサー
    • 新たな警戒管制レーダー(FPS−XX)の整備(2機目:佐渡)
    • FPS−3改の能力向上
  • 指揮統制・通信システム
    • 自動警戒管制システムへの弾道ミサイル対処機能の付加(828億円)
    • 戦術データ交換システム(TDS)の整備

 将来のBMDシステムに関する研究等(247億円)

  • 弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルに関する日米共同開発
  • 艦載型対空レーダー及び戦闘指揮システムの能力向上に係る日米共同研究
  • 多国間BMDカンファレンス(会議)への参加

 弾道ミサイル発射事案を踏まえた追加的施策(227億円)

  • PAC−3ミサイルの早期取得(116億円)
  • 電子戦データ収集機(EP−3)の改善
  • 弾道ミサイル探知用先進赤外線センサーの研究の推進

 海上自衛隊の新規装備としては新型護衛艦DD1隻848億円(5,000トン)、新型哨戒ヘリSH−60K5機331億円、潜水艦1隻550億円などの調達経費が盛り込まれました。

 一方、「思いやり予算」は2271億円で、内訳は提供施設整備費554億円、労務費1458億円、光熱水料253億円、訓練移転費5億円。