海自艦艇部隊が全面改編へ
「海外派兵型」の体制強化

 8月31日、防衛庁は07年度予算の概算要求と業務計画案を決定しました。この中で海上自衛隊は艦艇部隊と航空部隊を07年度末までに全面改編することをうたっています。これは05年度から09年度までの中期防衛力整備計画に基づくもので「衛艦部隊(機動運用)について、一つの護衛隊を4隻とし、8個護衛隊に集約化するとともに、護衛艦部隊(地域配備)のうち1個護衛隊を廃止する。固定翼哨戒機部隊を4個航空隊に、回転翼哨戒機部隊を5個航空隊に、それぞれ集約化する」

 これまで護衛隊は護衛艦隊直轄の護衛隊群と5つの各地方隊直轄に別れていました。07年度末にはこれがすべて護衛艦隊の直轄になります。06年4月に大湊地方隊の1個隊が廃止され、現在は5地方隊に6個隊(佐世保だけ2個隊)配備されています。それも10年度以降には佐世保も1個隊になる予定です。
 一方、4つの護衛隊群はそれぞれ旗艦と3個隊(7隻)で構成されていましたが、これがDDHグループ(DDH、DDG、DD×2)とDDGグループ(DDG、DD×3)の2個隊構成と変わります。

 また航空機部隊も同様で、航空集団と各地方隊に所属していた航空隊をすべて航空集団の下に置くことになります。とくにヘリ哨戒機部隊とヘリ救難機部隊はすべて館山と大村の航空群の傘下に入ることになります。これに伴って舞鶴航空分遣隊は独立した航空隊に格上げし、従来の哨戒ヘリ6機体制を10−12機に増強する計画です。

 このような中央直轄型の改編で艦艇・ヘリの機動的運用が可能となり、ますます「海外派遣型」の体制が強化されます。一方、地方隊の機能は大幅に縮小とみられます。