倉島岸壁の整備終了
係船能力が大幅強化

 4月1日、佐世保市干尽町の海自倉島岸壁の整備が終わり、落成披露式が行われました。
 海底の浚渫によって、水深10メートルを確保し、「はつゆき」クラスの護衛艦6隻と掃海艦4隻が同時に係船できる東西420メートル、南北80メートルの岸壁となりました。新しく完成した施設は、艦艇に対する電力や蒸気の供給をはじめ、災害派遣等における物資の集積所等として活用することが可能で、大幅な機能強化となりました。佐世保地方総監は倉島岸壁完成がもたらすメリットとして「係留能力の是正」、「後方支援能力の向上」、「防災拠点として活用」の3点をあげています。

 倉島地区は佐世保港発展の障害のひとつであり、佐世保市は米軍施設への移転を求めていましたが、費用の問題で断念。全体的に施設の老朽化が進み、近年の大型艦艇の係留に対応できなくなったため、200億円をかけた全面改修工事に入っていました。倉島岸壁の整備は約60億円で3月末に完工しました。浚渫工事は07年度まで続けられ、さらに陸域の建物・施設整備がこれから進められようとしています。

 佐世保市は倉島岸壁を開放して海上自衛隊の艦艇を観光客らが見学できるように、海自佐世保地方総監部と協議を始める方針で、自衛艦を軍港都市・佐世保の新たな観光資源として活用しようとしています。自衛隊にとっては広報として利点があるために願ったりかなったりでしょう。