米第7艦隊ブルーリッジ佐世保寄港
室蘭市では「寄港拒否」


米海軍佐世保基地に接岸した第7艦隊旗艦ブルーリッジ

 1月20日から23日まで、横須賀基地を母港とする米海軍第7艦隊の旗艦ブルーリッジ(満載排水量1万8372トン、約1000人乗り組み)が佐世保港に寄港しました。18日に横須賀を出港しています。同艦の入港は04年10月以来で、およそ2年に一回寄港していることになります。

 入港目的は「乗員の訓練と佐世保市民との交流」でした。20日は艦内を報道陣に公開。バートコスキ艦長は記者会見で、横須賀の空母キティホーク乗員が強盗殺人容疑で逮捕された事件に触れて、「『雨降って地固まる』のことわざのように、これを機に一層日米友好を深めたい」と語りました。このことわざはジェームズ・ケリー在日米海軍司令官が日本国民と横須賀市民あての公開書簡の中でも引用し、市民団体などから「謝罪する側が使う言葉ではない」と批判が起きていました。この間、佐世保基地でも米兵による犯罪が連続していることを意識しての発言だと見られます。

 22日にはブルーリッジの乗員で構成する「第7艦隊バンド」が基地内で演奏し、米軍関係者や佐世保市民約250人が参加し、基地施設の一部も開放されたそうです。

 第7艦隊ホームページでは乗員が熊本城の他、長崎の平和公園、原爆資料館、稲佐山などに旅行に出たことが報じられています。長崎へは佐世保基地のバスで146名程が2日間に分かれてきた模様です。また40人が佐世保市の特別養護老人ホーム「白寿荘」で(押しかけ)ボランティア活動を行なっています。

 ブルーリッジは1月30日〜2月3日(金)まで、名古屋港金城埠頭に、2月6日〜10日まで室蘭港崎守ふ頭に寄港する予定です。ブルーリッジの北海道への寄港は03年の小樽、函館以来、室蘭寄港は1999年以来となります。あわせて横須賀基地配備の巡洋艦「チャンセラーズビル」(乗員約300人)が2月3日〜7日まで寄港の予定です。

 室蘭市は第7艦隊所属の水兵による女性殺人事件が横須賀市で発生したばかりであることから、市民感情を考慮して入港回避を要請しました。しかし在日米海軍司令部はこれを拒否しして入港を強行する予定で、市は恒例の歓迎式典を実施しない方針といいます。

 新聞報道では入港の連絡があった1月19日午に室蘭市の総務部長らが在札幌米国総領事館に出向き「市民に不安感が残っている」と入港を見合わせるよう要請し、その後も1週間電話交渉を続けたが、米国側は「どうしても入港したい」と譲歩しなかったということです。そんなに「さっぽろ雪まつり」が見たいのでしょうか? 室蘭市関係者はブルーリッジの船長主催のレセプションへの出席を見合わせ、市民交流の会場設定などでも協力しないという。殺人事件まで起こし、各地で被害が多発しているのですから、本当に「親善・友好」を望むのであれば寄港そのものを撤回するのが筋でしょう。日本国民を見下しているとしか思えません。


横須賀基地のブルーリッジ(05年平和大会基地行動)