護衛艦「きりさめ」再び戦争支援へ
インド洋への戦時派遣に抗議する!

 11月15日、午前10時、テロ特措法に基づいて海自佐世保基地から護衛艦「きりさめ」がインド洋へ戦時派遣されました。前日に横須賀基地から出航した補給艦「ときわ」とともに米英を中心とする「対テロ戦争」を支援することになります。

 この日、前畑岸壁で佐世保原水協・平和委員会は抗議集会を行ないました。ながさき平和委員会からも6名が参加し、「きりさめはインド洋へ行くな!」「自衛隊の海外派兵反対!」「憲法9条を守れ!」と唱和を繰り返しました。
 港では警備にあたっている海上保安庁の巡視船から職員が私たちの抗議行動をカメラやビデオに収めていました。彼らには抗議行動も監視の対象なのでしょう。


2度目の戦時派遣となった護衛艦きりさめ

 「きりさめ」は4年前の11月9日、戦後初めて日本から戦時派遣された艦船でした。この4年間で、佐世保からのインド洋派遣は延べ18隻にのぼります(全体ではイラク特措法に基づく2隻を含めて51隻)。また三菱長崎造船所建造の護衛艦としては延べ17隻、3分の1を占めます。

 これまでの米英等軍艦への燃料補給回数は556回、計41万1千キロリットル(約160億円相当)(11月8日現在)に達しています。マスコミでも160億円も国税を使いながら現地での自衛隊の活動が公表されていないなど、説明責任を問う報道をする放送局もありました。


抗議行動をカメラとビデオに収める海上保安庁の職員

【抗議集会の主催者あいさつ】

 4年前の11月、アフガニスタンへの報復戦争を支援するために、佐世保基地から「きりさめ」「くらま」「はまな」の3隻の自衛艦がインド洋へ派遣され、海外派兵への道を切り開いてしまった。この4年間で補給した回数は556回、約160億円に上る。人件費等を含めれば膨大な税金が注ぎ込まれたことになる。これらの補給には、テロ特措法にも反して、イラクで戦う米軍にも提供されたことも明らかになっている。二重三重にも許されないことだ。
 この4年の間、アメリカは、人類がたくさんの人々の犠牲の上に手にした「平和のルール」を公然と踏みにじるブッシュ・ドクトリンを公然と打ち出し、イラク戦争という形で実行に移した。しかしイラク戦争の大義のなさは今日では明瞭となり、当初支持した国々も次々と撤退し、惨めな孤立の道を歩もうとしている。しかし、日本政府は最初からアメリカを支持し、日本国憲法を踏みにじり、イラクへ陸自派兵を行なうところまで来てしまった。さらには集団的自衛権の行使や海外での武力行使ができるように憲法9条の2項を改悪しようとしている。
 いま在日米軍再編をめぐる中で、むき出しの基地強化の押し付けを名指しされた自治体からは猛反発が起きている。その中に「佐世保」は入っていないが、それは先取り的に強化されてしまっているからだ。ローレンス米国防副次官は再編の目的を「日米同盟の根本的強化」と明け透けに述べている。つまり日米が一体となって共通戦略目標を掲げ、それを遂行できる能力や態勢をつくりあげていくことである。米掃海艦が配備されているのは佐世保だけだが、3年前に司令部機能がアメリカから移されている。
 米軍再編が日本の防衛と全く関係がないこと、かけがえのないふるさとが平和のルールをふみにじる米軍に使われてしまう。そんなことを許していいのかという世論に必ず結びついていくだろう。確信を持ってこれからの米軍基地撤去、憲法9条守れの運動を大きく広げていこう。 (佐世保原水協・理事長 山下千秋)