長崎市中央地区「9条の会」が発足

 11月12日、長崎市中央地区「9条の会」の結成のつどいが開かれました。会場となった銀屋町教会の礼拝堂には約110名の市民がかけつけ、いっぱいとなりました。

 県九条の会の呼びかけ人の越中哲也さん(郷土史家)は、「長崎の文化の発祥地と言われる『銀屋町』で新しく『九条の会』が誕生することには感慨深いものがある。和の精神が憲法の基になっている。中央地区から輪を広げよう」とあいさつしました。

 つどいの記念講演は「県九条の会」の前原清隆さんが「新しい情勢の下での憲法」と題して行ないました。
 前原さんは、自民党新憲法草案が当初言われていたものより確かに「穏やか」で「常識的」なものになっているが、それは民主党や公明党との協議をやりやすくしたもので、いわば「本気」で変えようとしているからだと指摘しました。そしてそれに呼応するように、民主党も「憲法提言」は出したが条文案は提出しない方針になっていると述べました。
 また、新憲法と言うことで国の形を作り替える、つまり平和国家から戦争国家へと一種の政治的クーデターを狙っており、草案の随所に、当初案にあった危険性がちりばめられていることを指摘しました。
 そして現在の「憲法改正」に向き合う上で、過去と未来に対する責任、たとえば「内外の戦争犠牲者の声に耳を澄ます」「生まれてくる人々の願いに想像力をはたらかす」ことが必要ではないか、と提起しました。そのうえで毎日新聞の世論調査(10月5日)で「九条改憲」に反対する人は62%にのぼり、これは自民・民主・公明の各党支持者でも「九条は変えなくていい」と思っていることに確信を持ち、この人たちへのはたらきかけを強めることが必要だと訴えました。

 つづいて出席した9人の世話人がそれぞれの憲法・平和に対する想いを熱く語りました。

  • 「汝殺すなかれ」が仏教の精神。「正義」のために殺していいのか。時の流れの中で九条が壊されていくことに危惧を抱いている。
  • 憲法前文や九条の中に戦争で死んでいった無念の声が生きている。これをなくすことは彼らを再び殺すことになってしまう。
  • 憲法九条こそがアジアの国に対する謝罪の言葉でもある。これを破棄することは謝罪をすてること。

 最後に各地域毎に、世話人の持ち味なども活かしながら生活の中から憲法・平和を考える取り組みを行なうことを確認しました。