護衛艦「きりさめ」のマスト折れ曲がる


マストの欠けた「きりさめ」(左)。同型艦の「ありあけ」(右)と比較するとよくわかる。

 海自佐世保基地配備の護衛艦「きりさめ」の鋼製の通信用マストが航行中に大きく折れ曲がったことが報道されました。

 9月7日早朝、通信用アンテナのマストが、頂部から約4メートルの所で下方に約110度曲がっているのが発見されました。6日夜までは異常はなかったということです。航行には問題はなかったため、7日午後に佐世保基地に帰港しました。

 「きりさめ」は訓練を終えた後、6日夜に鹿児島県西方沖を通り、佐世保に帰港途中で、折からの台風14号の影響を避けるため九州南方海上を避難航行中だったといいます。「きりさめ」の風速計では前日6日の最大瞬間風速は50メートルを記録していました。

 このマストは昨年6月、溶接ミスから亀裂の入った護衛艦「おおなみ」のものと同型で、ともに三菱長崎造船所の建造です。「おおなみ」の場合は停泊中にマスト最上部から2.6メートル部分に亀裂が入っていることが見つかり、一部を交換修理しています。またその際に「きりさめ」を含む同型マストを持つ11隻の護衛艦の点検が行われましたが、異常はなかったとのことです。

 また「きりさめ」は今年6月上旬から7月下旬まで三菱長崎造船所で点検・修理を行なったばかりでした。→護衛艦ウォッチング05

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