新型哨戒ヘリSH-60Kが完成
量産1号機が海上自衛隊に引き渡し

 三菱重工業小牧南工場(愛知県)で製造されていた、護衛艦搭載の新型哨戒ヘリコプター「SH-60K」の量産1号機が8月10日、海上自衛隊第51航空隊(神奈川県綾瀬市)に納入されました。

 「SH-60K」は現在の海上自衛隊の主力哨戒ヘリ「SH-60J」の後継機として97年から開発が始まり、02年6月からは試作機2機(01、02号機)が引き渡され各種試験が行なわれていたものです。今後は順次、「SH-60J」に代わって調達され、今年度は7機が就役する予定です。

 このうち4機(03〜06号機)は厚木の第51航空隊で運用試験や転換訓練に使われ、残り3機(07〜09号機)が館山の第121航空隊に配備されるといいます。

 「SH-60K」は「SH-60J」をベースに、新型の戦術情報処理表示装置、データリンク装置を搭載して僚機との連携を強化、戦術能力が大幅に向上させています。また夜間悪天候時に、操縦負荷の軽減及び安全性を向上するため、着艦誘導支援装置が設置されています。高性能低周波ソーナーやレーダーも従来より強力なものが装備されました。

 従来は魚雷のみの攻撃武器だったものが、対潜爆弾および対艦ミサイル(AGM-114M ヘルファイア)も搭載可能で、また7.62ミリ口径機銃(700〜1000発/分)も装備でき、不審船や小型艦船に対する攻撃能力も有しています。

 機体はやや大型化され自重は6.2トンから7.2トンに、搭載可能乗員数も8名から12名に増えています。最大速度は時速260km(140ノット)。