米軍住宅建設も民営化−−従来、国の「思いやり予算」で建設してきた米軍住宅を民間業者が、ビジネスとして建設するという事態が起きています。すでに赤崎町には「FLEET AKASAKI」(5階建て36戸)が完成、隣接して新棟の建設が行なわれています。
米海軍佐世保基地の人員は軍人・軍属・家族あわせて約5900人にものぼります。基地内の家族住宅は佐世保海軍施設に167戸、針尾住宅地区に488戸で充足率は約55%であり国内では最低といいます。独身用宿舎は佐世保海軍施設内に将校用、下士官用ともに低層2棟、高層1棟ずつあります。不足している部分は民間住宅を借りるなどしていますが、家族住宅の不足分は600戸といわれています。
住宅不足を解消するため、在日米海軍司令部住宅管理部は「賃貸住宅提携プログラム(Rental Partnership Program)」を進めています。これは米軍が居住者(米軍人)を保証するという形で、基地外に事実上の米軍住宅を民間業者に建設させるものです。軍人・家族や独身者に対して、質の高い(3LDKを基本に家電製品が完備)、手ごろな家賃の民間住宅を提供することが目的です。
佐世保基地でも昨年 4月、佐世保商工会議所に民間関連業者を集めて、「賃貸住宅提携プログラム」を説明しています。報道ではこれまでに十数業者が申し込み、計64戸分の契約が完了しているといいます。
「賃貸住宅提携プログラム」概要
- 住宅基準要件
- 構造上しっかりしている。
- 健康・安全に問題が無い。
- 給湯設備がある。
- シャワーと浴槽がある。
- 水洗トイレである。
- 冷暖房機が設置されてある。
- 十分な電気容量がある。
- 駐車場への行き来が容易である。
- 防虫網戸が各々の窓に付いている。
- 冷蔵庫・オーブン・洗濯機・乾燥機の電化製品が設置されてある。
- 希望要件
- 基地に近い。
- 駐車場が付いている。
- スクールバスの運行経路である。
- 冷暖房機が設置してある。
- 車での出入りが容易い。
- ペットを飼ってもよい。
- 庭が付いている。
- アメリカ製洗濯機・乾燥機用の設置場所と電源(220V)がある。
- 基地内住宅の設置備品(これを装備せよということだろう)
- 冷蔵庫(18−21 CF)
- オーブン(30 インチ)
- 洗濯機(30 インチ)
- 乾燥機(30 インチ)
- 食器洗い機
- 生ごみ処理機
- 全窓にブラインド
- 消火器・煙感知器
- 物置・ゴミ箱(2)-リサイクル用
- 利点
- 空き室の軽減。
- 良質な借家人。
- 家賃が自動振込によりほぼ保証。
- 所属部隊によるサポート。
- 入居・退去時の住宅部による検査等。入居状態、清掃、又は、衛生等の文書化。