佐世保市の「戦争準備予算」
約835万円を計上

 3月25日、政府は「国民保護基本指針」を閣議決定しました。昨年9月に施行された、アメリカの戦争を支援するための有事関連法のひとつである「国民保護法」に基づくもの。「指針」は、現実の問題として想定できない「事態」を想定して、都道府県に「当直等による24時間即応可能な体制の確保」を、市町村についても「当直等の強化」を義務づけています。また自治体と防衛庁・自衛隊との連携や、共同訓練など平時からの戦争態勢を国民に強いるものです。自治体は06年度までに「保護計画」の作成を義務づけられています。

 このような中、長崎県議会では05年度予算に「国民保護法に基づく国民保護計画の作成、避難施設、避難経路等の地図情報化」として1155万円(04年度は172万7千円)が計上されました。佐世保市でも05年度予算に「国民保護法」関連の予算として約835万円が計上され、自衛隊OBが嘱託職員として採用されることになりました。以下、山下千秋さんのホームページからの引用。


 日頃から「戦争中」を想定した日常生活作りが始まります。 役所やテレビ局、病院などは「戦時」のための計画を作り、 「戦時」にむけて組織を整えなければならなりません。地域ボランティアも協力を要請されます。訓練もしなければならない組織もあります。 今後わたしたちの日常生活はどんどん変わっていくでしょう。

いよいよ自治体が戦争準備の仕事にかかる
佐世保市では今年度834万円を予算計上
自衛隊OB、警察OB2名の嘱託職員採用

山下市議 「国民保護法関連の予算、834万9千円が計上されている。何を行う予算なのか。」
消防局次長 「平成17年3月4日、国民保護法に関する基本方針の指針の公表があった。これにより順次計画を進めてきた。平成17年度当初予算として、防災専門の嘱託職員の雇用と、住民向けの公表パンフレットの印刷、国民保護法協議会設置後の協議会開催と委員の報酬、佐世保市国民保護計画(仮称)、研修に関する旅費及び図書購入や消耗品、職員の時間外手当などに834万 9千円計上した。」
山下市議 「17年度事業として何をやるのか。」
消防局次長 「国民保護関連条例の制定、国民保護協議会(仮称)設立、ならびに基礎資料の収集。次に、長崎県の国民保護計画策定のための協議。18年度以降については、佐世保市国民保護計画の作成ならびに避難マニュアルの作成、避難マニュアルに基づいた避難訓練の実施、市町村間が連携した広域的な避難訓練の実施。住民への佐世保市国民保護計画(仮称)避難マニュアル等の普及・啓発。」
山下市議 「佐世保市のガイドラインの進捗状況はどうなっているか。」
消防局次長 「17年度4月1日付けで消防局防災課に新たに職員を3名配置し、ならびに佐世保市国民保護計画案策定のために、専門的な知識を持った嘱託職員を2名採用する方針。この国民保護法に関するものを広く啓発していく。」
山下市議 「嘱託職員とは、自衛隊関係の職員ということではないのか。」
消防局次長 「避難マニュアルを作成するうえでどうしても専門的な知識が必要となる。自衛隊OB、警察のOBの2名を考えている。」

23日の佐世保市保健・医療・福祉審議会でも

 23日夜、審議会が開かれた。19人の審議委員は限られた時間のなかで、当局の計画についてかなり的確な専門的な意見を出すなど、レベルの高い議論がなされていた。このなかにも平成17年度保健福祉部の重点課題のなかに、NBCテロがしっかりと盛り込まれている。だが時間のなかったせいかもしれないが、誰も言及しなかった。