米海軍佐世保基地
一部が返還へ

 12月21日、日米合同委員会は米海軍佐世保基地の一部を日本に返還することに合意しました。返還される部分は主に日米地位協定で米軍に提供されている土地で、SSK(佐世保重工業)が共同利用させてもらっている(二条4項a)もの。米軍に優先使用権があり、米軍の要求があれば明け渡さなければならないために、これまでに米軍とSSKの間で何度も衝突が起きていました。返還後は国有地となりSSKが専用で使用できることになります。

 しかし返還は米軍用の専用岸壁の建造と引き換えであり、手放しで喜べるものではありません。しかも新岸壁は海域5万7千m2を埋め立てて建造されるものです。米軍は返還する以上の土地を提供され、電力や通信設備も整備されるために利用勝手のよい岸壁となります。建造費は日本の「思いやり予算」約200億円。また立神岸壁に隣接する制限水域は返還対象となっていません。さらに旧ジョスコー線下に米軍が敷設した通信ケーブルの取り扱いも問題です。

 返還されるのは次のとおり。→図面

  1. 立神岸壁の一部(計505m、計4600m2
    3号岸壁の大半(143m)、4号岸壁(193m)、5号岸壁の大半(169m)
  2. 赤崎貯油所 土地の一部(約3万1千m2
          隣接する制限水域(約3万7千m2
  3. 旧米海軍専用鉄道敷用地(旧ジョスコー線)の一部(約1万5600m2
    SSK東門〜西門まで

 また一部は日米共同使用

  1. 立神5号岸壁の残り(24m)と6号岸壁の一部(14m)、約300m2
    ※SSK所有のクレーンの稼働領域にあたる部分