米原潜日本寄港 40周年にあたっての申し入れ

 11月11日、米原潜の日本寄港40周年にあたって、佐世保市平和委員会と佐世保原水協は市民の安全を守る立場から佐世保市へ下記の申し入れを行ないました。


佐世保市長 光武 顕 様

米原潜日本寄港 40周年にあたっての申し入れ

2004年11月11日
原水爆禁止佐世保協議会理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会会長    町田 勇

 11月12日は、わが国に米原潜が国論を二分する中で入港して、ちょうど40周年の節目にあたります。この間、原潜をはじめ原子力艦船の寄港問題は、常に核持ち込み疑惑と原子炉であるがゆえの安全性が大きな議論になり続けてきました。核慣らしや放射能漏れ事故隠しなどもあり、米原子力艦船の寄港は定着してきた感があります。さらに2001年9月11日同時多発テロ以降は、原子力艦船の入出港の事前公表を控えさせるという状況にまで至り、これもまた固定化されるという懸念が生じています。40年前の原潜を入港させる前提になっているアメリカ側からの約束事が今日完全に空洞化させられかねない事態に直面しています。

 40年目を迎えるにあたり、米原子力艦船の入港問題をどのように考えればよいのか、特に市民の安全を守るという観点から見つめなおすことが求められていると私たちは考えます。

 ひとつは核持込疑惑の問題です。非核三原則厳守を求めることを堅持するのかどうか。また、この間ラロック証言もありました。米国情報公開法にもとづいて入手された「核密約文書」の存在も明らかにされました。その都度、日本政府は核持込疑惑を否定し続けてきました。自治体もその言い分をうのみにし続けるという態度をとり続けてきました。一方アメリカ政府はNCND政策を踏襲してきています。自治体と住民は直接核兵器事故の危険に直面するわけですから、事の真相を把握することこそ、自治体の第一義的使命だと思います。自治体として納得できないものは納得できないと政府にきちんと発言するというスタンスをこの機会に確立すべきではないでしょうか。

 もうひとつの問題は、原子力艦船の安全性の問題です。事故を起こしうるという立場に国も自治体も立っています。だから、その被害を最小限に食い止めようと防災マニュアルも作るし、訓練も行いはじめました。しかしその防災マニュアルは大きな欠陥と矛盾をもっています。同マニュアルは情報源からの情報にもとづいて防災対策を立てるとしながら、しかし、その情報は得られない、したがってあらかじめ「一定の想定」のもとで対策を立てるというものです。事故というのは、きわめて個別的で具体的なものです。だからこそ情報源からの情報提供は、市民の安全を原子力艦船災害から守るためには、絶対に不可欠のものです。一方情報を要請することになっていますが、本気でこのマニュアルを実行しようというのであれば、先の原潜ラホーヤの原因調査結果を求めることにつながらなくてはなりません。マニュアル自体の見直しが必要ではないでしょうか。

申し入れ事項

  1. 非核三原則厳守を求め続けること。
  2. 政府説明うのみではなく、直接市民に責任をおう立場から核持込疑惑についての真相究明を求める立場に政策転換すること。
  3. 事前未公表政策をやめ、元通り公表すること。
  4. 原子力艦の防災訓練には米軍の参加を求めよ。
  5. ラホーヤの火災事故原因調査結果を求めよ。
  6. マニュアル見直しを要求されること。
  7. 地位協定見直しを要求されること。