原子力空母ステニスの
8月16日、在日米海軍(横須賀市)は8月20日〜25日の間、ステニス空母攻撃群の艦船を日本各地に分散させて寄港させることを公式に発表しました。佐世保港には原子力空母ジョン・C・ステニス(CVN74: John.C.Stennis)とイージス・ミサイル駆逐艦ハワード(DDG 83: Howard )、高速戦闘支援艦レイニア(T-AOE 7: Rainier)が寄港します。また静岡県清水港にはイージス・ミサイル巡洋艦レイクチャンプレイン(CG 57: Lake Champlain)が、東京・鳴海にはミサイル・フリゲート艦フォード(FFG 54: Ford)が入港します。随行しているとみられる攻撃型原潜ソルトレイク・シティについては情報がありません。 今回の寄港目的は「補給、補修・維持、乗組員と地元の人たちの友好親善」といいますが、重要な点は「サマーパルス04」という「海外展開スケジュールの一環として」入港するとしていることです。 これは米海軍が打ち出した「艦隊即応計画(Fleet Response Plan)」にもとづく地球規模の軍事演習で、世界の5つの地域に7つの空母攻撃群を展開するというもの。世界で発生するテロや武力紛争などに、迅速・多面的に対応するもので、空母攻撃群を30日以内に6つ、3ヶ月以内にさらに2つを交替配備または増派させる計画です。6月23日から7月27日までハワイ周辺海域で実施された8ヶ国部隊による環太平洋合同演習「リムパック04」も「サマーパルス04」の一環という位置づけです。 「リムパック04」には海上自衛隊の護衛艦4隻、潜水艦1隻、P3C哨戒機8機と人員1250人が参加しています。先制攻撃も念頭にした地球規模での米軍事作戦に自衛隊が深く巻き込まれています。 ステニス空母攻撃群は「リムパック04」に参加後、西太平洋に移動し、横須賀配備のキティホーク空母攻撃群と空海統合演習(Joint Air Sea exercise 04:8月10日〜8月14日)を行ないました。これには嘉手納基地の第18航空群、第3海兵遠征群と第1海兵航空団の海兵隊部隊が参加しています。また8月5日に佐世保を出港した揚陸艦ハーパーズ・フェリーもこれに参加していたとみられます。この演習中に空母ステニスに艦載されているS3B哨戒機(バイキング)が北硫黄島沖で墜落、乗員4人が死亡しています。 このように地球的規模で展開する米軍事戦略に在日米軍基地が大きく組み込まれ、その出撃基地と化しており、もはや「安保条約」にうたわれた「日本と極東の平和と安全」を守る在日米軍ではなくなっていることは明白です。 平成16年8月16日 市長コメント 本日午前9時40分頃、外務省から米国原子力空母ジョンC、ステニスほか2隻の米軍艦船の佐世保寄港につき、別紙のとおり通報がありました。 米国原子力空母の寄港は、一昨年8月のエイブラハム・リンカーン以来、2年ぶり6回目であります。 また、今回の原子力空母寄港は2年前と異なり、ミサイル駆逐艦ハワード、高速戦闘支援艦レイニアの2隻が随伴しております。 私は、本日の通報を受け、直ちに外務省を訪れ、原子力空母の運航については停泊時も含め細心の注意を払うこと、及び寄港中の米兵による事件・事故など不測の事態を招くことがないよう綱紀粛正の徹底を図ることの2点を外務省に強く申し入れてまいりました。 外務省からは、米側へ伝える旨の回答を得たところであります。 今後、市といたしましても、放射能測定態勢に支障をきたさないよう文部科学省に要請するとともに、市独自の体制を整え、米海軍佐世保基地を含む関係機関との連携を密にするなど、対処してまいる考えであります。 [佐世保基地対策室] (平成16年8月16日在日米軍プレスリリース 佐世保市仮訳) ジョンC.ステニス空母攻撃群日本寄港 横須賀発 ジョンC.ステニス空母攻撃群の艦船が海外展開スケジュールの一環として、8月20日〜25日の間、日本を訪問する。 第14航空群を積んだ空母「ジョンC.ステニス」、ミサイル駆逐艦「ハワード」及び高速戦闘支援艦「レイニア」が佐世保、ミサイル巡洋艦「レイクチャンプレイン」が静岡市、フリゲート艦「フォード」が東京にそれぞれ入港する。 訪問の目的は、補給、補修・維持、乗組員と地元の人たちの友好親善。 今回、ステニス空母攻撃群は、キティ・ホーク空母攻撃群、沖縄に配備されている嘉手納の空軍第18航空群及び海兵第3遠征群と共に、空・海共同訓練を行なった。 (空母「ジョンC.ステニス」の佐世保入港取材に関心のある報道関係者は、8月18日15時迄に、米海軍佐世保基地広報室 Tel 0956-24-6111、内線3032に連絡のこと。静岡市に入港するミサイル巡洋艦「レイクチャンブレイン」及び東京に入港するフリゲート艦「フォード」の入港取材に関心のある報道関係者は、8月18日15時迄に、在日米海軍広報室 Tel 046-822-7579に連絡のこと。) |
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