佐世保平和委員会などが
米原潜「ボヤ」事件で申し入れ

 重大な事件では情報が正確になるまでには時間を要するもののようです。7月29日になって、原潜ラ・ホーヤの火災事故後の経緯が分かってきました。佐世保市への米軍の通報は5時間半後、佐世保市の公表はそれから7時間以上たっています。消防局への市民の通報からは15時間もたってからの発表です。佐世保市の『原潜事故マニュアル』が活かされているのか、問題です。また原潜が出港後に佐世保市が事故を初めて公表するなど、ひじょうに不透明な部分があります。

  • 午前 3時10分、佐世保市消防局へ「爆発音を聞いた」という市民の通報
  • 午前 8時40分、米軍佐世保基地司令部から佐世保市基地対策室に火災の電話連絡
  • 午前 9時、外務省から佐世保市基地対策室に火災の電話連絡
  • 午前11時40分、佐世保基地参謀長が佐世保市役所を訪れて市長に報告
  • 午後 4時45分、原潜ラ・ホーヤ出港
  • 午後 5時過ぎ、佐世保市が火災事故を公表

 7月29日、佐世保平和委員会などは下記の申し入れを佐世保市長に行ないました。後日、文書で回答をするとのことです。


佐世保市長 光武 顕 様

原潜「ボヤ」事件についての申し入れ

2004年7月29日
原水爆禁止佐世保協議会  理事長 山下千秋
佐世保市平和委員会    会長  町田 勇
日本共産党北部地区委員会 委員長 中尾武憲

 報道によると、佐世保港赤崎岸壁接岸中の米海軍原子力潜水艦「ラホーヤ」が、昨日(7月28日)、ボヤ事件を引き起こしたとのことです。一歩間違えば大惨事になりかねない事態に、あらためて米原子力潜水艦佐世保寄港がもつこわさを思い知らせるものです。付記すれば、ラホーヤは核攻撃能力認証を受けたとされる米原子力潜水艦10隻のうちのひとつにもなっています。
 佐世保市民の生命・安全に関わる重大な問題だけに、佐世保市長に以下のことについてご検討のうえ対策をとっていただくよう申し入れいたします。

要望事項

  1. 事故の重大性をどのように認識されているのか明確にしていただきたい。
  2. 事故原因究明と再発防止対策を求めるとともに、その内容を市民に公表されること。
  3. 佐世保市側からの問い合わせがなかったら、米軍基地は事故報告をおこなったのだろうか疑義がある。なぜ佐世保市への通報が遅れたのか。そもそも通報する意思があったのだろうか。
  4. こうした場合の米軍の事故マニュアルはどうなっているのか。
    事故マニュアルに照らして、今回の米原潜・米軍基地の対応はどうだったのか。
  5. 佐世保市としての市民への情報公開という点ではどうだったのか。
  6. ほんとうに原子炉への影響はなかったのか。モニタリングポストの結果はどうだったのか。
  7. いよいよ赤崎へのモニタリングポスト設置は急がれる。設置の方向は明らかにされているが、現在どうなっているのか。
  8. 原子力事故防災訓練に、外務省・米海軍が参加しないという不合理さがあらためてうきぼりになった。その参加をきびしく求めるべきだ。
  9. 佐世保市原子力防災マニュアルが、事故後ホームページから削除されたというが、ことの真偽はどうか。