12月5日付け長崎新聞は、長崎県が昨年6月の米イージス艦の松ケ枝埠頭接岸の際の損失補償額として15万円余りを受けたことを報道しました。
昨年6月6日、長崎港にアフガニスタン攻撃に加担した米イージス艦カーティス・ウィルバー(横須賀配備)が入港し、松が枝埠頭に接岸しました。テロ対策を名目に県営松が枝駐車場は「休業」、埠頭も「立ち入り禁止」でロープが張られるという異常な事態となりました。
米軍艦船は日米地位協定第5条により入港料が課せられないことになっています。そのため防衛施設庁の「非提供港湾施設損失補償要領」は、米軍に提供していない岸壁や桟橋などを米軍が無償で使用する場合、施設管理者の県が被る損失を国に請求できると定めています。米艦船が入港しなければ、他の船舶が有料で岸壁を使用できるわけですから、実質的な「岸壁使用料」にあたります。
長崎県はこれに基づいて昨年7月に福岡防衛施設局に32万7102円を請求しました。内訳は岸壁分として、1日当たり4.2円を艦船の総トン数、岸壁使用日数に掛けた額16万8170円、船体をフェンスとブイで囲った際の用地と水域の使用料として、面積と時間から7万5400円と3万7700円、県営駐車場については閉鎖期間分の4万5832円。
今回の報道では、長崎県に「岸壁使用料」として15万5660円が入ったが、国側はフェンスの設置や用地使用料などは前例がなく、検討中といいます。
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