長崎市議会に
防衛議員連盟が発足

 長崎市議会に「長崎市防衛議員連盟」が発足しました。「国防思想の普及・啓発を図るとともに、自衛隊の充実・発展に寄与し、もって日本の平和と繁栄に貢献する」ことを目的としています。陸上自衛隊のイラクへの派兵が年内にも強行されようとしている中で、高まる反対世論を押さえ、侵略戦争協力を市民にあおろうというのでしょうか。全議員の過半数にあたる23名で構成。おそらく市議会レベルでは全国で初めてと思われますが、マスコミは全く報道していません。

 長崎市議会運営委員会では22名以上の議員の賛同があった時、議会事務局に担当の書記を公費で置くことができることになっています。8月末に開かれた議会運営委員会に防衛議員連盟の設置の提案がありました。「全国の市議会でも例がないのにわざわざ被爆地長崎の議会に設置するとはどういうことか」「これまで『文化・芸術の発展』『スポーツ振興』などの議員連盟はあったが、自衛隊など世論が2つに割れているものを公的なものとして設置するのはおかしい」「公式な議員連盟は全会派一致が原則であって数の論理でやるのは間違い」などの反対の意見が出されましたが、4人以上の議員で構成する正式会派だけの「全会一致」で発足が決まりました。

 実は防衛議員連盟は1年前の8月に私的な研究・活動組織として発足しました。その後10月5日に設立総会が開かれ、顧問は鳥居直記議長(当時)、会長は佐藤忠議員(元議長、自衛隊後援会長)でした。しかし両氏とも長崎市発注の公共工事をめぐる入札妨害事件で逮捕・辞職という事態になり、議員連盟はとん挫していました。これが今回、公のものとして復活したのです。
 議長が議員連盟に参加するかどうかは個人として自由なはずですが、規約では顧問に議長をあてるとしており問題と言わざるを得ません。

 有事法制の3法案が成立し、次の通常国会には「国民保護法案」が提出されます。総務省は来年度に国民保護課を新設し、一定の人口規模以上の自治体については、国民保護業務の部署の新設を要請し、すべての市町村に国民保護業務を行う専任職員を任命するよう求める方針といいます。国民をふたたび戦争に駆り立てる組織をつくろうとしています。
 9月の長崎県議会では「防衛庁の省への昇格を求める意見書」が自民、公明両党の賛成で可決されました。今回の防衛議員連盟の公式発足はこのような動きと連動しているといえるでしょう。

 下記に名簿と規約を紹介します。明政クラブは自民党系で、議長選挙をめぐって分裂し新たにつくられた会派。括弧内は(参加人数/会派人数)

長崎市防衛議員連盟

○は世話人     

民主・市民クラブ(7名/12名)
   ○緒方 冨昭     五輪 清隆     源城 和雄
    西田 みのぶ    松尾 敬一     柳川 八百秀
    山下 寛臣(副議長)

自由民主党(3名/9名)
   ○池本 敏典     下条 ふみまさ   伊達木 秀人

公明党(3名/6名)
   ○森  幸雄      平野 だいとし   村田 生男

明政クラブ(6名/6名)
   ○野口 三孝     久米 ただし    重橋 照久(議長)
    福島 満徳     毎熊 政直     山口 博

みらい市民会議(2名/2名)
    小森 あきと     前田 哲也

気走会(1名/1名)
    梶村 恒男

真政会(1名)
    板坂 博之

計23名       


長崎市防衛議員連盟規約

 (名称)
第1条 本連盟は、長崎市防衛議員連盟と称する。
 (目的)
第2条 本連盟は、国防思想の普及・啓発を図るとともに、自衛隊の充実・発展に寄与し、もって日本の平和と繁栄に貢献することを目的とする。
 (事業)
第3条 本連盟は、前項の目的を達成するため必要な事業を行う。
 (組織)
第4条 本連盟は、第2条の目的に賛同する長崎市議会議員をもって組織する。
 (役員)
第5条 本連盟に次の役員を置く。
     顧 問  1名
     会 長  1名
     副会長  2名
     幹事長  1名
     幹 事  若干名
2 顧問は、議長の職にある者をもってこれに充てる
3 会長、副会長、幹事長及び幹事は、会員の中から総会において選任する。
4 役員の任期は2年とする。ただし、再任を妨げない。
 (役員の職務)
第6条 会長は、本連盟を代表し、総会・臨時総会の議長となる。
2 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、会長の職務を行う。
3 幹事長は、事業の企画立案をし、役員会に諮り、本連盟の運営事務局長を兼ねる。
4 幹事は、本連盟の運営に関する連絡調整を担当する。
 (会議)
第7条 本連盟の会議は、総会、臨時総会及び役員会とする。
2 総会は、年1回とし、必要に応じて臨時総会を開く。
3 役員会は、必要に応じて会長がこれを開く。
 (会計)
第8条 本連盟の経費は、会費及びその他の収入をもって充てる。
 (会費)
第9条 本連盟の会費は、月額500円とする。
 (雑則)
第10条 この規約に定めるもののほか、本連盟の運営について必要な事項は、会長が別に定める。
 附則
 この規約は平成  年 月 日から施行する。