佐世保の陸上自衛隊の
武装パレードを中止せよ

 10月7日、佐世保の陸上自衛隊相浦駐屯地は、自衛隊創設記念行事の一環として、13日に陸自西部方面普通科連隊(有事即応対テロ特殊部隊)による市中パレードを実施すると、発表しました。これまで相浦駐屯地は記念行事としての市中パレードを行なったことはありませんでした。しかもパレードは銃を携行した完全武装で行われます。
 この武装パレードの中止を求めて、10月10日、佐世保原水協や平和委員会などは相浦駐屯地に対して申し入れを行ないました。対応した総務課長は、国道使用について警察に届けをしたが規制は何も受けなかったことを明らかにし、イラクへの派兵については「聞いていない」というものの否定をしませんでした。


陸上自衛隊相浦駐屯地
谷川孝司司令官    御中

完全武装市中パレード中止を求める申し入れ

2003年10月10日
原水爆禁止佐世保協議会   山下千秋
佐世保市平和委員会     町田 勇
日本共産党北部地区委員会  中尾武憲

 新聞報道によると、西部方面普通科連隊250名が、「迷彩服を着て小銃や機関銃を携行。13日午前11時から10分間、国道の松浦交差点から島瀬交差点まで行進する」とのことです。
 陸上自衛隊による完全武装しての市中行進は、佐世保では初めてのことになります。どうして今の時期に、このようなデモンストレーションを行われるのでしょうか。
 貴部隊は、わが国最初の特殊部隊であり、イラク派遣の候補にも挙げられていると聞き及んでいます。
 イラクへの陸上自衛隊派遣は、米英軍による占領支配に参加するものにほかなりません。交戦権を禁止した日本国憲法に真っ向から反するもので絶対に容認できるものではありません。国民世論もまた「イラクへの自衛隊派遣反対」が圧倒的多数をしめています。
 私たちは、イラク全土が今なお戦闘地域であり、なおかつ米軍による劣化ウラン弾使用による放射能汚染地域であることを考えるとき、派遣される自衛隊院の生命と安全を心から懸念します。また逆に派遣された自衛隊員の人々がイラク国民に銃口を向け、実際に殺傷する可能性も危惧いたしております。戦後戦争によって誰一人として、外国の人の命を奪うことも、自衛隊の人の命を失うこともなかった「世界に誇るべき戦後歴史」に終止符が打たれようとしています。
 10月17日はブッシュ米大統領が訪日し、イラク自衛隊派遣と財政負担の約束がかわされようとしています。こうした時期に佐世保市中での完全武装による自衛隊のパレードは、まさに自衛隊の本格的海外派兵認知を佐世保市民に迫る大デモンストレーションそのものです。さらにまた、小泉首相が2005年までに「憲法改正」をまとめることを指示するなど、こうした政治的背景に乗じたものでもあります。
 憲法の改悪、イラクへの自衛隊派遣など、戦争する国への第一歩につながる自衛隊の完全武装市中パレード計画を中止されるよう強く申し入れいたします。