大村で自衛隊が市中パレード
市街戦制圧の模擬演習も

 9月28日午後2時半からJR大村駅付近の市道約300メートルを通行止めにして大規模な軍事パレードが行われました。例年、自衛隊創立記念日を前に陸自大村駐屯地・竹松駐屯地、海自大村航空基地、空自福江島分屯地の4部隊が合同して行なっているものです。
 上空をヘリコプターが飛び交い、戦車など車両117台が道路を占拠、自衛隊員873人が正装してわが物顔に闊歩していきました。歩道の一角には観閲席が設けられ、紹介された部隊が敬礼をしていきます。各部隊長の出身地まで紹介し、沿道の市民が拍手をする姿は異常としか思えません。
 初めて自衛隊のパレードを見たという大学生は「まさに異様な光景でした。ビラまきが難しいほど、人通りが少ないらしい駅前は見物に来た人で賑わっていました。カメラを構える人、いっしょうけんめい手を振る子供たちを見ていると兵隊を戦地へ送り出す家族のように思えました。もしかしたらイラクに行くかもしれないのに、家族は不安ではないのだろうかと思います。憲法9条を持つ国に住む人間として恥ずかしいことだと思いました。被爆県である長崎でこのようなものが行われていることがとても残念です」と感想を語ってくれました。

 この日の午前中には、大村駐屯地では模擬演習が行なわれ、ハワイで訓練を受けた隊員9名による市街地制圧演習が披露されました。
 陸自西部方面隊は昨年からテロに対する即応能力を高めるために、ハワイの米陸軍演習場で市街地戦闘を想定した訓練を実施しています。今年は8月2日から11日間、大村駐屯地の第16普通科連隊の125名が派遣されました。隊員は民間航空機で移動し、火器や車両は民間船舶で搬送したといいます。米陸軍の支援のもと、陸上自衛隊が実戦的な戦闘能力を身に付け始めています。イラクへの派遣を絶対に許してはなりません。