テロ戦争支援の自衛艦帰港
加担の度合い増す佐世保基地

 8月22日午後4時30分ごろ、海上自衛隊佐世保基地に「イージス艦こんごう」「補給艦はまな」「護衛艦ありあけ」がインド洋戦時派遣から帰港しました。3度目の派遣となった「補給艦はまな」は63回1万9千キロリットルの燃料補給を行ったと報道されています。
 昨年末、イージス艦の派遣は居住性を最大の理由にあげて強行されました。しかし「きりしま」の派遣期間は156日で、同時期に派遣された「護衛艦はるさめ」よりも21日も短いのです。「こんごう」にいたってはわずか135日。はじめにイージス艦派遣ありき、これほど国民を愚弄するものはありません。→派遣実績
 あわせて見ておかなくてはならないのは今回のテロ戦争支援で果たした佐世保の護衛艦の役割です。現地での軍事活動の中心となっているのは補給艦ですが、多大な攻撃能力を有する「護衛艦」が延べ18隻派遣(「はるな」だけ2回)されています。このうち佐世保配備は8隻で断トツです。
 これを護衛艦隊だけで見てみると、配備されている護衛艦と派遣された護衛艦の比率は、横須賀3/9、舞鶴1/5、呉4/6、大湊1/3であるのに対して佐世保は8/10と飛び抜けて大きいことがわかります。(表参照:黄色が戦時派遣された護衛艦)
 政府は秋の臨時国会でテロ特措法の2年延長をもくろんでいます。ほぼ終結しているインド洋でのテロ対策に自衛隊艦船派遣を固持するのは、この機に乗じて海外での恒常的な軍事プレゼンスを維持したいというのが本音ではないでしょうか?

護衛艦隊所属の艦船
所属 艦名 番号 排水量 定員
護衛艦隊 旗艦 たちかぜ 168 3,850 240
(横須賀)
第1護衛隊群
旗艦 しらね 143 5,200 350
第1護衛隊 むらさめ 101 4,550 170
はるさめ 102 4,550 170
いかづち 107 4,550 170
第5護衛隊 たかなみ 110 4,650 220
おおなみ 111 4,650 220
第61護衛隊 はたかぜ 171 4,600 260
きりしま 174 7,250 300
(佐世保)
第2護衛隊群
旗艦 くらま 144 5,200 350
第2護衛隊 やまぎり 152 3,500 220
さわぎり 157 3,550 220
第6護衛隊 ゆうだち 103 4,400 170
きりさめ 104 4,400 170
ありあけ 109 4,400 165
第62護衛隊 さわかぜ 170 3,850 255
こんごう 173 7,250 300
第4護衛隊群 第64護衛隊
(佐世保)
あさかぜ 169 3,850 240
ちょうかい 176 7,250 300
(舞鶴)
第3護衛隊群
旗艦 はるな 144 5,200 350
第3護衛隊 はまゆき 126 2,900 220
あまぎり 154 3,500 220
第63護衛隊 しまかぜ 172 4,650 260
みょうこう 175 7,250 300
(呉)
第4護衛隊群
旗艦 ひえい 142 5,200 350
第4護衛隊 いなづま 105 4,500 170
さみだれ 106 4,550 170
あけぼの 108 4,550 170
第8護衛隊 あさぎり 151 3,500 220
うみぎり 158 3,550 220
(大湊)
第3護衛隊群
第7護衛隊 ゆうぎり 153 3,500 220
はまぎり 155 3,550 220
せとぎり 156 3,550 220