長崎市議会と長崎市長が
イラク問題の平和的解決を要請
3月6日、長崎市議会は「対イラク問題における平和的解決を求める意見書」を全会一致で採択しました。また翌3月7日、長崎市長も小泉首相宛の要請を出しました。
イラクの大量破壊兵器の保有・開発疑惑は、日本を含む国際社会全体に対する深刻な脅威であり、共通の問題であります。しかるに昨年11月の「国連安保理決議1441号」を無条件に受諾したイラクへの国連査察が継続され、その内容をめぐっては国連の場で緊迫の度合いを増しています。一方、米軍は大量の兵員をイラク周辺に増派して武力攻撃の準備を進めており、一触即発の危険な状態が続いています。
戦争にでもなれば犠牲になるのは無防備な一般市民です。被爆都市長崎市民は、そのことを身をもって経験しました。今、大切なのは、国連の枠組みで査察の継続・強化による平和的解決への努力です。被爆都市長崎市は、世界の恒久平和を願い、人命尊重の立場から国連憲章の理念のもとに、平和的解決にあらゆる外交努力を払うことを強く望みます。
よって、国におかれましては、世界で唯一の被爆国として、イラクの大量破壊兵器全面廃棄の即時受け入れと平和的解決に向けた積極的な外交に全力を尽くされるよう要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定より意見書を提出します。
平成15年3月6日
今日、イラクにおける大量破壊兵器の問題は、世界平和を脅かす重大な問題になっています。
イラクの大量破壊兵器の保有・開発疑惑は、核兵器による被害を体験した被爆都市長崎の市民感情として、決して容認することはできません。
現在国連においては、イラクへの武力攻撃を前提とする決議案が提出されるなど、極めて危険な状況を招くことが危惧されています。この問題の解決には、まずイラクが国連安全保障理事会決議に基づく査察に全面的に協力し、大量破壊兵器を廃棄することこそが、今、最も求められています。
日本政府におかれては、憲法の平和主義に沿って、国連の枠組みの中で査察の継続・強化による日平和的解決に向け外交努力を尽くされるよう要請いたします。
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